お問い合せはこちらから

INFORMATION

お知らせ

美容食材ハトムギから、発芽の力を引き出すことで、肌に潤いとハリを与える化粧品原料を開発2023.03.23

「1人でも多くの女性に正しい綺麗を」をビジョンに高性能なスキンケア化粧品の開発とOEM製造を行う株式会社サティス製薬(代表取締役社長:山崎智士、本社:埼玉県吉川市)は、美容食材ハトムギを活用した化粧品原料『発芽ハトムギエキス』を開発しました。ハトムギは本来食べることで美肌効果を発揮するため、化粧品としての効果は限定的でした。ハトムギを化粧品として活かすため、今回、種子を発芽させることで肌に適した形でハトムギの力を引き出すことに成功しました。

■美容食材であるハトムギには、化粧品原料としての課題も。
栄養成分に富むハトムギ(ヨクイニン*)は古くから薬膳料理に利用されてきました。とくに美容効果が知られており、肌荒れ改善効果があるとされています。ハトムギの栄養成分としては、タンパク質がお米の約5倍も含まれているのが特徴です。タンパク質は経口摂取後に体内の消化酵素で分解され、低分子性のアミノ酸になって吸収されることで、肌などの生体組織に必要なタンパク質合成に利用されます。これがハトムギによる美肌効果のメカニズムの一つであると考えられます。

そのため、ハトムギから抽出された水性エキスをそのまま肌に塗っても、その効果は高分子性のタンパク質成分などの被膜効果にとどまります。消化分解能力のほとんどない肌においては、あらかじめ肌に最適な形で植物の力を引き出してあげることが重要となります。

*ヨクイニン(薏苡仁):薏苡(ハトムギ)の仁(種子の核)を意味する生薬名で、ハトムギを脱穀し種皮を取り除いたもの

■発芽させることで「肌の栄養素」アミノ酸を大幅に増量
植物の種子は、発芽や成長に必要な栄養成分を高分子性のタンパク質と炭水化物の形で貯蔵しています。
そして、発芽する際に、これら高分子成分をアミノ酸やグルコースなどの低分子の栄養成分へと変換します。

そこで、当社はこの植物のはたらきに着目し、発芽させることで、ハトムギを肌に塗布しても美肌効果の期待できる化粧品原料に変換し、これを『発芽ハトムギエキス』と名付けました。同原料の必須アミノ酸(EAA)量を計測したところ、未発芽ハトムギと比べて、13倍まで増加していることがわかりました(図1)。

■アミノ酸はNMFとしてだけでなく、シワ抑制の効果も期待
アミノ酸は肌のNMF(天然保湿因子)の約40%を占め、肌の保湿とバリア機能の維持に重要な役割をもちます。しかし、老化した肌や紫外線により荒れた肌、あるいはアトピー性皮膚炎などにおいては、NMF産生能は著しく低下してしまいます。そのため、スキンケア成分として肌にアミノ酸を補うことは、肌の美容と健康に役立ちます。

アミノ酸のなかでも体内で作り出すことのできない9種のアミノ酸をEAAと呼びます。最近このEAAがシワ抑制の関与成分として注目されています。肌には様々なタンパク質(細胞、接着、構造)が存在し、肌の土台を構築しています。EAAがこれらのタンパク質の産生を促進させ、シワ・ハリを改善することが期待されています。

■真皮の弾力をつくる成分「エラスチン」の保護作用
エラスチンとは真皮を支える柱であるコラーゲン同士を結びつける役割を持ちます。発芽ハトムギエキスは、このエラスチンを変性・分解してしまう弾性繊維分解酵素エラスターゼを阻害する働きを持つことがわかりました(図2)。

これらのことから、『発芽ハトムギエキス』は、健全な肌の形成を助けることが期待されるEAAを豊富に含み、シワ・ハリを改善する化粧品原料であるといえます。本成分は当社OEM事業を通じて、さまざまなスキンケア製品に活用。当社は、今後も日本の植物を独自に活用し、肌への有効性を発揮する化粧品原料の開発を進めてまいります。

●サティス製薬について

天然由来成分を中心とした高性能スキンケア化粧品の開発・OEM製造を手掛けています。「日本の素材・技術で価値革新する」ことにこだわり、多種多様な国産素材からオリジナル原料を開発。ユーザー1人ひとりの肌悩みを解消する化粧品づくりへと活用しています。2010年に開始した「ふるさと元気プロジェクト」では、果実の未利用部位や需要が低下する野菜などに、独自技術で美容としての新たな価値を付与し、これまで90種以上の原料を開発してまいりました。今後も、地域資源の高付加価値化や、未利用資源の活用などのイノベーション創出を通じて、地方創生への貢献を目指してまいります。