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秋田を代表する日本酒「美酒爛漫」が化粧品原料に!
植物性乳酸菌で発酵した秋田米の米ぬかエキスに
単一原料で皮膚のバリア機能を改善する効果を発見2012.10.10

化粧品・石鹸の受託製造(OEM)を行うサティス製薬(本社:埼玉県吉川市、代表取締役:山﨑 智士、以下サティス製薬)は、日本酒「美酒爛漫」の製造販売を行う秋田銘醸株式会社(本社:秋田県湯沢市、代表取締役社長:京野 勉、以下秋田銘醸)と共同で化粧品原料「美酒爛漫の米ぬか発酵エキス」を開発し、10月1日より化粧品への配合取り扱いを開始することとなりました。

開発概要

皮膚の保湿に欠かせないバリア機能を正常化するためには、(1)角質層が整備され、(2)水分が補充され、(3)水分が蒸散しないよう保護され、(4)正常なターンオーバーにより循環するという4つの要件全てを満たす必要があります。
しかしながら、従来は4つの要件全てを満たす作用がある単一の化粧品原料は存在しませんでした。このたびサティス製薬が秋田銘醸と共同で開発した「美酒爛漫の米ぬか発酵エキス」は、植物由来でありながら上述の4つのメカニズム全ての改善に単一で作用することが確認できました。これにより、従来よりも皮膚のバリア機能を改善する効果が高い化粧品の開発が可能となります。

素材供給元の秋田銘醸は、大正11年から伝統的酒造を行う一方、杜氏の腕や勘だけに頼らない科学分析研究部署を社内に有する革新的酒造メーカーであり、主力商品の「美酒爛漫」が今年5月の全国新酒鑑評会で金賞を受賞するなど、最高レベルの酒造品質は広く認知されています。化粧品原料「美酒爛漫の米ぬか発酵エキス」は、秋田銘醸と秋田県総合食品研究センターとの共同特許技術によって開発された「米ぬか発酵液」から誕生しました。

農商工連携事業の内容酒造工程中に副産物としてできる米ぬかを植物性乳酸菌で発酵する際、特許技術の中核となる秋田銘醸独自の発酵方法を施すことにより、通常の発酵処理に比べて高濃度のアミノ酸系有効成分が産生される特徴があります。
一方、サティス製薬は創業以来13年間、植物を微生物発酵させることで化粧品原料としての皮膚に対する新たな有効性を見出す研究を行ってまいりました。
このたびの共同開発は秋田銘醸独自の発酵技術とサティス製薬の化粧品原料開発技術により実現し、その結果、植物由来でありながら皮膚のバリア機能改善において従来よりも有効性が高い化粧品原料の開発に成功しました。

従来の保湿剤の課題 

皮膚のバリア機能は、角質層の「1.整備」、「2.補充」、「3.保護」、「4.循環」という4つのメカニズムが正常に働くことで保たれています(図1参照)。
紫外線をはじめとする外部刺激やストレスなどの内的要因で、これら4つのメカニズムが乱れることによって皮膚のバリア機能は低下し、その結果、肌荒れなどのあらゆる皮膚トラブルを引き起こします。上述の通り、従来は一つの原料で4つのメカニズム全ての改善に作用する化粧品原料は存在しませんでした。このため化粧品の開発段階では、例えば「2.補充」の役割を果たすヒアルロン酸やセラミド、また「3.保護」の役割を果たすグリセリンなど、1から4のメカニズムそれぞれの改善に作用する複数の化粧品原料を、各原料の性質(水・油溶性など)に適した製剤に安定性や機能性を担保できる範囲で配合し、複数の製品を組み合わせて皮膚のバリア機能改善にアプローチする製品設計を行います。
つまり、あらゆる条件を考慮しながら最適な処方開発を行い、最適な製品の組み合わせを模索する必要があるため、従来の保湿剤を組み合わせてバリア機能を改善するのは技術的に大変高度で困難だと言えます。

「美酒爛漫の米ぬか発酵エキス」特徴 

「美酒爛漫の米ぬか発酵エキス」は、皮膚のバリア機能改善を目的とした化粧品開発において、上述の課題を解決する原料です。具体的には、以下の(1)~(4)のように本原料のみでバリア機能を担う4つのメカニズム全ての改善に作用するため、例えばオールインワン化粧品1製品を開発するだけでもバリア機能を改善できることになります。すなわち、化粧品開発における技術的な制限(障害)が従来よりも少なくなるため、皮膚の保湿に不可欠なバリア機能改善という目的の最短かつ容易な達成が期待できます。

(1)角質層の「整備」
「美酒爛漫の米ぬか発酵エキス」に含まれる乳酸には、表皮の最も外側の角質細胞を除去する作用があります。同時に角質細胞の剥離酵素の働きを促進するため、古い角質がいつまでも表皮に留まるのを防ぎます。
※下記エビデンスデータ(a)参照

(2)水分保持能を「補充」
NMFは吸収性と保湿性に優れ、角質層の水分維持に大きな役割を果たしており、細胞間脂質は、角質層の細胞と細胞の間で水分の蒸散を防ぎます。 「美酒爛漫の米ぬか発酵エキス」には、保湿成分NMF(天然保湿因子)の素となる成分や、細胞間脂質を補うセラミドの生成を促進する成分が豊富に含まれています。さらに、角質層への浸透力が高い(※エビデンスデータ(b)参照)ため、水分保持力を高める原料であると言えます。
※下記エビデンスデータ(b)参照

(3)皮膚表面を「保護」
本エキスには、擬似皮脂膜を形成する成分と、皮脂分泌を正常化する成分が含まれており、皮脂分泌量の減少を防ぐと同時に、疑似皮脂膜をつくり、皮膚にとって理想的な皮脂分泌量を維持します。
※下記エビデンスデータ(c)参照

(4)正常に「循環」
表皮細胞が角化できず未熟な細胞のまま皮膚表面へ押し出されてしまう“不全角化”を防ぎます。正常なターンオーバー周期へ導くことで、必要な水分量を保ち、うるおいを逃がさない保湿力のある皮膚をつくります。
※下記エビデンスデータ(a)参照

今後の展開 

サティス製薬と秋田銘醸は、植物由来の化粧品原料「美酒爛漫の米ぬか発酵エキス」が持つ、皮膚のバリア機能改善テクノロジーを採用した化粧品の開発・製品化を通じて、新たな保湿化粧品市場の創造に取り組んでまいります。さらに、「美酒爛漫の米ぬか発酵エキス」が秘める皮膚に対する有効性について、引き続き新たな発見を目指して研究開発を継続する予定です。
また、サティス製薬は今後も植物の皮膚に対する可能性を追求し、合成物の有効性・機能性を代替する新たな化粧品原料の研究開発を進めることで、化粧品業界にナチュラルで高性能な技術革新もたらすことを目指してまいります。