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国産食用花であるキンギョソウから、心理的ストレスによる乾燥肌を特異的にケアする新原料を開発
2019.11.25

肌のインナードライを防ぎ、肌の潤いを守ることが期待できる

ストレスホルモン「コルチゾール」が、表皮細胞が作り出す潤い成分「表皮ヒアルロン酸」を減少させてしまうことを発見しました。さらに、この低下を防ぐことのできる化粧品原料『低分子金魚花グルクロニド』の開発にも成功しました。この世界初の化粧品原料は、現代人が抱える様々なストレスから肌を守ることが期待できます。

心理的ストレスによる肌の乾燥

皮膚には全身の総ヒアルロン酸量の約50%が存在し、皮膚真皮層のみならず、表皮層、およびその最外層の角層にもヒアルロン酸が存在することが知られています。真皮のヒアルロン酸は肌にハリを与えてシワやタルミを防ぎ、また、表皮のヒアルロン酸により肌の水分量が保たれ保湿機能が維持されます。しかし、持続的な心理的ストレスによりホルモンバランスが乱れてコルチゾールが増加することにより、皮膚バリア機能は損なわれ、皮膚の乾燥が進行してしまいます。

ストレスにより表皮ヒアルロン酸合成酵素-3が低下することを発見

表皮細胞にコルチゾールを添加し、保湿関連遺伝子の発現量の変化を解析した結果、従来知られているフィラグリン低下に加えて、表皮ヒアルロン酸合成酵素-3(HAS3)の発現が低下していることを発見しました(※図1)。このことから、ストレスによる肌の乾燥をケアするために、HAS3低下を抑制する天然原料を開発しようと考えました。

多彩な花色をもつキンギョソウに注目

そこで、注目したのがキンギョソウの花です。キンギョソウは、花色が多彩なため、鑑賞花やエディブルフラワー(食用花)として人気がありますが、実はフラボノイド研究のモデル植物としても活用されています(※図2写真)。その花弁は、黄、赤、ピンク、白、オレンジ、紫、クリムゾン、混色などの多彩な色を安定的に形成し、この安定化には希少成分「アピゲニングルクロニド(APGN)」が関わっていると考えられています。APGNは、アピゲニンにグルクロン酸が結合した酸性のフラボノイド配糖体です。APGNは高山などの過酷な環境下で生育する植物に多いことは知られていますが、植物における役割はまだほとんど分かっていない興味深い成分です。このAPGNを活用できれば、グルクロン酸で構成されるヒアルロン酸の代謝を制御できるユニークな化粧品原料を開発できると考えました。

独自技術により角層浸透性を向上

有効成分を見出しても、角層にしっかり浸透しなければ高い効果は期待できません。そこで、当社独自技術により、高分子で存在していたAPGNを低分子化することで、角層浸透性を大幅に向上させることに成功しました(※図3、テープストリッピング法)。このことから、キンギョソウ花エキスを、『低分子金魚花グルクロニド』と名付けました。なお、データには示していませんが、キンギョソウの花のフラボノイド量は、ポリフェノールが多いことで知られるシソの葉(ロスマリン酸)や柑橘ジャバラ(ナリルチン)などよりもフラボノイド(主にAPGN)が高含量でした。

キンギョソウ花エキスはストレスによる表皮ヒアルロン酸の減少を防ぐ

キンギョソウ花エキスは、コルチゾールによる表皮HAS3の発現低下を防ぎ、ヒアルロン酸産生能をストレスフリー状態と同等に維持しました(※図4)。ストレス時の表皮ヒアルロン酸の減少を抑制することで、肌のインナードライを防ぎ、肌の潤いを守る効果が期待できます。
※本原料の肌へのメカニズムに関する詳細は当社HPに掲載

低分子金魚花グルクロニド

今後の展開

今回開発した新原料『低分子金魚花グルクロニド』を、OEM製造を通じて数多くの化粧品に配合していきます。これにより、本原料を配合した化粧品が、ストレスによる肌悩みを抱えている、1人でも多くの女性の役に立つことを期待しています。
また、産地や生産者とさらに連携し、食用花の新しい魅力を発信していきます。