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青森県沖で獲れるアブラツノザメから化粧品原料 「ガイアログ プロテオグリカンSP」を共同開発2016.10.26

青森県沖で獲れるアブラツノザメから化粧品原料「プロテオグリカン」を開発

~持続可能な社会に向けて、計画的に管理された海洋資源を活用した製品づくり~

「ヒトと地球をもっと綺麗に、ずっと綺麗に」をスローガンに、天然物を独特に活用した化粧品の開発とOEM製造を行う株式会社サティス製薬(代表取締役:山﨑智士、本社:埼玉県吉川市)は、青森県でサメを専門に水産加工を行う有限会社田向商店(専務取締役:田向常城、本社:青森県青森市、以下田向商店)と共同で、青森県沖で獲れるアブラツノザメから化粧品原料「ガイアログ プロテオグリカンSP(水溶性プロテオグリカン)」を開発しました。


ヒアルロン酸とは異なる「ガイアログ プロテオグリカンSP」の保湿効果と機能性

プロテオグリカンは、ヒアルロン酸やコラーゲンに次ぐ“第3の保湿成分”と言われており、コアタンパク質にコンドロイチン硫酸等のグリコサミノグリカンと呼ばれる糖鎖が共有結合した糖タンパク質です(図1)。細胞外マトリックスの主要構成成分の一つとして、皮膚や軟骨など体内に広く分布しています。主にコラーゲンが肌のハリ・弾力を支え、ヒアルロン酸は潤いを保つ役割がありますが、プロテオグリカンは両方の働きを持つのが特徴です。

プロテオグリカンに含まれる多数のグリコサミノグリカン鎖は、スポンジのように水を柔軟に保持しながら、衝撃への耐性や弾性といった機能を担っています。ヒト試験では、保湿作用や抗シワ作用、たるみ改善作用といった美肌効果が確認されています。また、細胞実験では、ヒアルロン酸やコラーゲンの産生促進、EGF様作用(表皮細胞増殖促進作用)を確認しており、プロテオグリカンが、コラーゲンやヒアルロン酸の“司令塔”のような役割を果たし、皮膚や骨・関節といった組織の正常な代謝を促進するのではないかと考えられています※1。

今回、サティス製薬が開発した「ガイアログ プロテオグリカンSP」の水溶液を、実際に肌に塗布して試験したところ、角質層の水分量に関してはヒアルロン酸よりも高い水分保持力を持っていることが確認できました(図2)。

ヒアルロン酸とはまた異なるメカニズムとポテンシャルを秘めている「ガイアログ プロテオグリカンSP」は、皮膚の水分量が高まる保湿成分としてだけでなく、肌のたるみ、シワなどのエイジング悩みを防ぐ機能性も期待されます。
※1:「作用機序解明が進むプロテオグリカン 今後の重点テーマは臨床応用、弘前大」より

精製度が高いため、プロテオグリカンの機能性を余すことなく発揮

今回開発した「ガイアログ プロテオグリカンSP」は、軟骨に多く含まれているII型コラーゲンなど余分な成分を抽出工程で除去して、精製度を高めた品質設計になっています。これによって、プロテオグリカンが持つ機能性を余すことなく発揮するだけでなく、プロテオグリカン自体の化粧品中における安定性、ならびに安全性の高い商品開発が可能となります。

アブラツノザメを選んだ理由

素材供給元の田向商店は、青森県でサメを専門に水産加工を行うサメのスペシャリストであり、鮮魚の卸販売、サメ肉加工に加え、未利用部位を有効活用したサメ軟骨サプリメントの販売や肝油を配合した食品の開発、減塩による健康増進を目的とした水産物原料ダシ製品さめ節の開発等を行っています。また、青森県沖のアブラツノザメから開発したプロテオグリカンを使って、弘前・津軽圏のヘルス&ビューティー産業クラスターの形成・拡大を目的とした『青森県プロテオグリカンプロジェクト』※2にも参画しており、伝統的サメ産業の持続、地域活性化に貢献しています。

今回開発した化粧品原料「ガイアログ プロテオグリカンSP」は、青森県沖で獲れるアブラツノザメのサメ軟骨から誕生しています。プロテオグリカンは様々な魚類の軟骨内に含有されてますが、私たちは持続可能な社会(サスティナブル)の観点にて、田向商店が取り扱うアブラツノザメを対象に決定しました。田向商店が取り扱うアブラツノザメは、水産資源と海に優しい漁業を応援する制度である『マリン・エコラベル・ジャパン』※3の認証を取得しています。

自然資源は、“無限”でも“無料”なものでもありません。一方、木を伐らなければ森林が保全されるわけではないのと同様、魚を食べなければ海洋保全になるわけではありません。森林と同様に、ヒトが知恵と手間を惜しまず、計画的に資源を管理して生産・活用を行うことが持続可能な社会につながります。将来世代のニーズにも応えられる能力を地球に残しておくことが、私たち現役世代の責任であると私たちは考えています。

また、持続可能な社会の実現に関しては、生活者の関心でもあります。水産庁が行った水産資源の状況に対する生活者の認識調査によると、水産資源は“枯渇しつつある(55.4%)”※4と回答している人が過半数を占めており、水産物の持続的利用と乱獲防止対策については、生活者にとっても認知度が高い問題となっています。つまり消費する側も、将来にわたって豊富な水産資源を継続的に消費するためには、乱獲を無くすだけでなく、無駄の無い活用が必要であると考えてるのです。

サティス製薬は、日本全国の天然素材を化粧品原料として開発し、品質と情報で付加価値を高め、地域を活性化させる『ふるさと元気プロジェクト』を行っています。環境負荷への配慮にも強い関心を抱いており、人間と自然に優しい製品の開発を目指しています。

これまで様々な地域の生産者や自治体とともに化粧品原料および化粧品の共同開発に取り組んできた経験を活かし、素材提供元である田向商店と連携して、アブラツノザメの化粧品原料化に取り組むこととなりました。

※2:「青森県プロテオグリカンプロジェクト」より
※3:「マリン・エコラベル・ジャパン」より
※4:水産庁「水産資源に関する認識及び水産資源の利用にかかる考え方」より

今後の展開

プロテオグリカンは、高い性能を持っておきながら、まだ市場からの認知が低いという課題があります。まずはプロテオグリカンの認知を拡大するため、プロテオグリカン同士の競争を避け、プロテオグリカンを製造している他社と連携しながら販促活動をして参ります。

この認知拡大策と平行して、プロテオグリカンのスキンケア体験を生活者の身近に提供したいと考え、OEM製造を通じて数多くの化粧品に配合していきます。また、化粧品原料としても国内、海外へ販売し、体験機会を広げて行きたいと考えています。

本件に関するお問い合わせ先

株式会社サティス製薬 広報担当 高橋夏希
TEL:03- 5646-2434 
FAX: 03-5646-2435
E-mail:n-takahashi@saticine-md.co.jp