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有機米ぬかエキス
~江戸伝統の美容素材~

 
ふるさと元気プロジェクト [医薬部外品表示名称:コメヌカエキス]
日本伝統のスキンケア原料が「密理キメを細かにしツヤを出す」
 肌にNMFアミノ酸を「与える&作らせる」モイスト・エイジングケア

キメ改善原料 ~ 有機米ぬかエキス~2022.10.28

✔ 江戸時代より受け継がれる伝統のスキンケア素材「米ぬか」
✔ 江戸の美容本により伝えられる米ぬか本来の効果は「密理(キメ)
✔ 米ぬかの自然の力を引き出すことで肌にNMFアミノ酸を「与える」だけでなく「作らせる」
✔ 乾燥や老化により失われる密理を改善するモイスト・エイジングケア
✔ 地球にも体にも優しい有機栽培「米ぬか」からのアップサイクル原料

 ※エキスリキッド以外にエキスパウダーも展開:クリーンビューティ製品の開発に。


  目 次

  • 1. 期待される効果と有効性情報

  • 2. 江戸美人のスキンケア素材「米ぬか」の美容効果は「密理キメ」にあり

  • 3. キメの乱れは角質細胞のNMF低下が原因

  • 4. 米ぬかの「キメ改善」の秘訣はNMFアミノ酸にあり?

  • 5. 有機米ぬかエキスのキメ・ツヤ改善作用

  • 6. 有機米ぬかエキスの抗老化作用

  • 7. 有機米ぬかエキスの抗酸化作用

  • 8. 有機栽培玄米の米ぬかを使用

  • 9. 原料情報(SDGs)

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    1. 期待される効果と有効性情報

    期待される効果

    キメ・ツヤ シワ・ハリ 保湿 敏感肌 毛穴・ニキビ

    有効性情報

    ■キメ・ツヤ(密理・艶)
    キメ改善(臨床試験)
    ツヤ改善(臨床試験)
    NMFアミノ酸産生(臨床試験:角層内アミノ酸量)
    NMF産生(FLG生成促進)
    収れん(タンパク質凝集)

    ■シワ・ハリ
    細胞賦活(真皮線維芽細胞)
    コラーゲン産生(コラーゲン量)
    ヒアルロン酸産生(ヒアルロン酸量)

    ■保湿
    角層水分量(臨床試験)
    水分蒸散量(臨床試験)

    ■敏感肌
    角層水分量(臨床試験)
    水分蒸散量(臨床試験)
    NMFアミノ酸産生(臨床試験:角層内アミノ酸量)
    NMF産生(FLG生成促進)

    ■毛穴・ニキビ
    収れん(タンパク質凝集)

    ■抗酸化
    活性酸素消去(O2-ラジカル)
    活性酸素消去(OHラジカル)
    皮脂酸化抑制(過酸化脂質)


     

    2. 江戸美人のスキンケア素材「米ぬか」の美容効果は「密理キメ」にあり

    2.1 江戸時代、白米の広がりとともに「米ぬか」が有効活用

    かつては「税」でもあった貴重なお米。炊き立ての艶やかな白米「銀シャリ」は、戦後の食糧不足の時代に生まれた言葉です。白米は奈良時代の頃から食べられていましたが、当時それを口にできるのは貴族階級の人たちだけでした。

    江戸中期の享保の改革以降、米の生産量は拡大し、武士階級だけでなく農民もようやく白米を口にできるようになりました。玄米は炊くために火力を多く使うこと、また、炊いた後に腐りやすいことから、江戸の防災や衛生上の理由から、白米をなるべく一度に一日分炊くことが主流になったそうです。

    江戸時代には中国から精米道具が伝わり、精米技術が大きく発展しました。足踏み式の「唐臼」や、その後は水車による大型精米機も登場しています。

    白米の広がりとともに、精米時に発生する「米ぬか」も有効活用されるようになります。世界有数の発酵大国である日本は、栄養豊富な米ぬかを菌床として活用してきました。それが「ぬか漬け」です。野菜をぬかに漬け込むことで、野菜に付着している酵母や乳酸菌がぬかの栄養素により増殖し、野菜の栄養価を高めたり、保存性を高めたりすることができます。

    江戸中期以降は、庶民の化粧が濃化粧から薄化粧へと変わっていき、素肌本来の美しさへと関心が高まった時期でもありました。江戸時代の化粧水として、ノイバラの芳香蒸留水である「花の露」や、「ヘチマ水」、「うぐいすの糞」などが人気で一般家庭でも作られていました。そして、江戸女性の美容を語る上で欠かせないのが「米ぬか」です。肌を磨いたり、肌を整えたりと、米ぬかは日本人女性のスキンケアに取り入れられるようになりました。

    参考:「江戸三百年の女性美 化粧と髪型」 村田孝子著


    2.2 江戸時代、米ぬかは庶民の身近なスキンケア素材

    当時の浮世絵にも、湯屋(銭湯)に「糠袋(ぬか袋)」を持ち込み、体を洗う女性たちが描かれています。湯屋で中身の糠を買ったり、貸出用の糠袋もありました。使用後の糠は済に置いてある箱の中に捨てます。それが貯まると商人が買い取っていき、最後は畑の肥料になります。

    江戸は人口100万人という世界有数の大都市でしたが、街中にゴミのないクリーンな都市であり、自然資源・消費財を再利用する循環型生活が営まれていました。

    庶民の米ぬかの使い方を知ることで、江戸の無駄のないリサイクル社会の一端を理解することができます。良いものを大切に使い続ける「もったいない精神」は日本文化の心であり、SDGsに取り組む現代社会においても欠かせないものです。
     

    糠袋で体を洗う女性               湯屋の風景(左上に米糠の入った箱が置かれている)
    左:江戸名所百人美女 御殿山(歌川豊国/画) 出典:Tokyo Metropolitan Library (https://archive.library.metro.tokyo.lg.jp/da/detail?tilcod=0000000003-00007359)
    右:時世粧年中行事之内 競細腰雪柳風呂(歌川芳幾/画) 出典:Tokyo Museum Collection (https://museumcollection.tokyo/works/6275553/)

     
    赤い布袋である糠袋に米糠や洗い粉を入れ、お湯の中で絞って顔や首をこすり、その後お湯で洗い落とします。糠はタンパク質や脂質を含んでおり、汚れを洗い落とすだけでなく天然のクリームの役割も果たしていました。さらに美容効果を上げるために、糠袋の中に鶯糠(うぐいすぬか:糞と混ぜた糠)を入れる女性もいたようです。洗顔や体を洗うときに石鹸のかわりに糠袋を使う習慣は、大正時代頃まで続いたと言われています。

    洗い粉(あらいこ):
    糠袋よりも以前に平安時代から用いられてきた”澡豆“(そうず)という洗顔料があり、小豆・大豆などの豆類を臼でひいた粉を原料にしたもの。白檀(びゃくだん)などの香料や生薬を加えた”洗い粉“も販売されていました。


    2.3 「糠袋を静かにまわしてつかへば糠汁よく出て密理をこまかにし艶を出す」

     
    佐山半七丸著『都風俗化粧伝』(みやこふうぞくけわいでん、文化10年、1813年)の糠袋の項に、米ぬかの美容効果の秘訣が書かれています。

    「糠袋をつかうに、顔につよくあてて洗うべからず、顔のきめをそんず。静かにまわしてつかへば、糠汁よく出て密理(きめ)をこまかにし顔につやを出す。」

    江戸女性の美容の秘訣は、糠汁(米ぬかエキス)による密理(キメ)改善!
     

    3. キメの乱れは角質細胞のNMF低下が原因

    3.1 角質細胞のNMFアミノ酸が低下することで細胞は収縮し、キメは乱れる

    「キメの整った肌」は透明感と艶のある綺麗な肌を特徴づける大事な要素です。日本人の肌はキメが細かいと一般に言われます。キメが細かい肌とは、凹部の皮溝と凸部の皮丘でできた菱形様の区画が小さくて数が多く、規則正しく並んでいる状態です。キメの整った肌は水分量と皮脂量のバランスが良く、皮丘が盛り上がっています。

    キメが乱れる原因には、加齢や紫外線による皮膚の乾燥・炎症、ストレス等による生活習慣の乱れなどがあります。他にも、睡眠不足や女性ホルモンバランスの崩れも、肌のターンオーバーが乱れることにより、キメの乱れの原因になります。

    キメの乱れは細胞レベルでは角質細胞の収縮が原因。角質細胞の収縮は細胞内のNMFの低下で引き起こされます。NMFの約40%を占めるアミノ酸は肌の保湿とバリア機能の維持において重要な役割をもちます。しかし、老化した肌や紫外線により荒れた肌、アトピー性皮膚炎などにおいては、NMF産生能は著しく低下してしまいます。キメの乱れた肌はNMFアミノ酸が失われた、がさがさな乾燥肌です。

    そのため、肌にNMFアミノ酸を補うことができれば、キメの整った美しい肌を実現できます。

    参照:天然保湿因子(NMF)産生酵素の性質とバリア機能 日比野利彦 J Soc Cosmet Chem Jpn 47 216-220 (2013)
     


    3.2 米ぬか本来の力「キメ改善」を引き出した化粧品原料はない

    「ぬか床を混ぜるおばあちゃんの手、杜氏さんの手はすべすべで綺麗」という伝承は今でも広く認知されています。そのため、米ぬかのスキンケアは現代にも受け継がれています。ただし現代では米ぬかを直接塗る代わりに、保湿、美白、UVケア、あるいは抗老化といった美容効果を訴求した米ぬか化粧品原料が開発されています。
     

     
    しかし、江戸から伝わる美容素材「米ぬか」の本来の美容効果は「密理(キメ)」にあります。数ある化粧品原料のなかでも、米ぬかのキメ改善効果を引き出した原料はまだありません。

    我々は、米ぬかに伝わる密理(キメ)改善効果には、米ぬかのアミノ酸によるNMF様作用にあるのではと考えました。

    そこで、都風俗化粧伝に記載されている、「糠袋を静かにまわしてつかへば糠汁よく出て」、という江戸伝統の使用法に着目し開発を進めました。
     

    4. 米ぬかの「キメ改善」の秘訣はNMFアミノ酸にあり?

    4.1 肌に最適な形で米ぬかの力を引き出す独自製法 ~江戸の糠袋利用法に着目~

    精米後の残渣である米糠は一般に「米油」の原料となります。しかし搾油した後でも、脱脂米糠は80%も残ります。その利用法は主に家畜飼料や肥料しかありません。

    米ぬかには約17%ものタンパク質が含まれます。タンパク質は高分子であるため、体内の消化系で分解できる食品とは異なり、肌に塗る化粧品ではほとんど有効性を発揮することはできません。

    我々は、江戸の女性が湯屋で実践していた利用法に着目。米ぬかが自然に持つ力を引き出すことで、アミノ酸豊富な原料の開発に成功しました(図)。本原料には、安心安全な有機栽培玄米の米ぬかを使用しています(8項に詳細)。

    一般的な米ぬかエキスと比べて、総アミノ酸量は7.5倍、主要NMFアミノ酸*としては10.3倍まで増加していました。

    *Gly, Ala, Serなど12種として (フレグランスジャーナル5月号2019)
     

    図 有機米ぬかエキスに含まれるアミノ酸


    4.2 肌にNMFアミノ酸を「与える & 作らせる」

    独自技術で製造した本エキスを肌に塗布して、テープストリッピング法により肌のアミノ酸を分析しました。エキス塗布部の角層採取は、皮膚を石鹸で軽く洗浄してから行いました。

    原料に含まれるアミノ酸は肌へと浸透し、無塗布部位と比較して、例えばアルギニン(Arg)は3.6倍、バリン(Val)は5.9倍も増加していました。

    さらに面白いことに、米ぬかエキスには本来含まれないオルニチン(Orn)とシトルリン(Cit)がそれぞれ1.8倍と3.8倍、肌で増加していることが明らかとなりました。
     

    図 米ぬかエキス塗布後の角層内アミノ酸データ

     
    有機米ぬかエキスに豊富に含まれるアルギニンが皮膚に浸透し、角層内アルギニンを増加させます。

    アルギニンは角層内に存在するアルギナーゼにより分解され、NMF重要因子であるオルニチンと尿素に変換されます1)。実際、アルギニンの塗布がアトピー性皮膚炎や高齢者の乾燥性皮膚の尿素量と水分量を増加させることが報告されています2)。

    このことが、有機米ぬかエキス塗布によるオルニチンの増加の理由と考えられます。

    さらに特筆すべきは、米ぬかエキス塗布により、NMFアミノ酸の主成分の一つであるシトルリンが増えていたことです。これは、米ぬかエキス塗布が角層内のシトルリン産生(脱イミノ化)を活性化させたか、あるいは米ぬか由来アルギニンが基質となりシトルリンに変換されたことなどが原因と推測されます。

    以上のことから、有機米ぬかエキスには、肌にNMFアミノ酸を「与える&作らせる」ことでキメ改善効果を発揮することが期待できます。

    1) The influence of l-arginine on the regulation of epidermal arginase.
     Wohlrab J. et al. Skin Pharmacol Appl Skin Physiol. 15 44–54 (2002).
    2) Topically applied arginine hydrochloride. Effect on urea content of stratum corneum and skin hydration in atopic eczema and skin aging.
     Nenoff P. et al. Hautarzt. 55 58-64 (2004).


     


    4.3 肌におけるNMF産生のメカニズム

    肌のNMFアミノ酸は下図のようなメカニズムで生成されることが分かっています。

    図 皮膚NMF生成のメカニズム

    5. 有機米ぬかエキスのキメ・ツヤ改善作用

    5.1 密理・艶(キメ・ツヤ)

    <キメ>
    有機米ぬかエキスを肌に塗布し、キメ改善効果を評価しました。マイクロスコープによる画像解析の結果、塗布前と比較すると塗布後1日目から顕著なキメ改善効果が見られ、1週後には皮丘密度は1.8倍まで増加していました(キメが細かくなった)。面積標準偏差で示されるキメの均一性も顕著に改善されていました(キメを構成する皮丘の面積のバラツキが少ない)。乾燥肌が改善されることで、艶のある綺麗な肌になります。
     


    <ツヤ>
    有機米ぬかエキスによる肌の艶(ツヤ)改善効果を評価しました。上腕内側部と顔の頬にエキスとプラセボ(エキスと同じ溶媒)を塗布し、塗布前と比較しました。また、ツヤに与えるエキスの直接的な影響を排除して、肌本来のツヤを測定するために、リンスオフ後の計測も行いました。
    測定器:グロッシーメーター(GL200、インテグラル社)
    測定モード:With DSC (Diffuse Scattering Correction, 拡散散乱補正) ※皮膚表面の凹凸や皮膚色などの影響を除いた値
    被験女性3名
    b (vs a) p<0.001, c (vs a) P<0.001, ** P<0.01, *** P<0.001

     

     
    有機米ぬかエキスは、腕と顔の両方においてツヤの改善効果を発揮しました。腕においては、塗布前に対して有意な改善効果が見られました。この時、プラセボではツヤ改善効果は見られなかったことから、溶媒以外の有機米ぬかエキス含有成分の効果であると考えられます。

    リンスオフ後の肌でもツヤが改善されていたことから、エキス成分の光反射効果だけではなく、肌本来のツヤが改善されたものと考えられました。

    肌本来のツヤとは、「表皮の状態を反映した光の反射による肌の見え方」のことで、肌の透明感とも大きな関係があります。肌のツヤに影響を与えているのは、肌理(キメ)と角質層の潤い状態です。肌が潤ってキメが整うと、ツヤのある肌になります。

    さらに、肌の真皮の状態(ハリ)も肌のツヤに影響を与えます。実は有機米ぬかエキスには、真皮ECM(細胞外マトリクス)産生促進効果も確認されています(以下6項)。
     


    5.2 潤い(肌水分)

    <即時保湿試験>
    恒温恒湿室で試験環境に肌を馴化後、測定部位にエキスを塗布し、所定時間毎に角層水分量をCorneometerで測定しました。

    有機米ぬかエキスを肌に塗布すると、水分量が2.7倍まで増加し、塗布後1hでも無塗布の2.2倍量の水分量を示しました。

    <短期連用保湿試験>
    左右の頬にそれぞれコントロール(同一溶媒)と有機米ぬかエキスを1週間連用塗布し、同様に評価しました。

    有機米ぬかエキス塗布群では、塗布前およびコントロール溶媒群よりも水分量の上昇と水分蒸散量の抑制において高い効果が示されました。
     


    5.3 フィラグリン産生促進

    <試験方法>
    ヒト表皮角化細胞を24時間培養。有機米ぬかエキス含有DMEMを加え48時間培養。
    RNA抽出よびcDNA合成、cDNAを用いてRT-qPCR
    試験濃度: 2.8, 28 μg/mL
    P<0.1, *P<0.05

     

     
    有機米ぬかエキスは表皮角化細胞のフィラグリン遺伝子の発現促進効果を示しました。フィラグリンは皮膚のバリア機能(雑菌の侵入や肌内部からの水分蒸散を防ぐ機能)や潤いを保持する保湿機能に関わる重要なタンパク質です。

    フィラグリンは人が持つ保湿成分である天然保湿因子(Natural moisturizing factor:NMF)の元となるタンパク質であり、肌の代謝と共に分解されてアミノ酸となり、NMFとして角層水分を保持してキメの改善にも繋がります。
     


    5.4 収れん作用

    サンプル タンパク質凝集
    (660nm)
    偏差
    エタノール  0.059 0.0209
    0.1%ZnCl2*  0.227  0.0057
    有機米ぬかエキス*  1.355  0.0757
    *溶媒  0.003  0.0004

     *同一溶媒

    BSAタンパク質が凝集して生じた濁りを660nmで測定することで収れん作用を評価しました。

    有機米ぬかエキスは高いタンパク質凝集作用、すなわち高い収れん作用を示しました。

    収れん作用とは、毛穴(皮脂腺や汗腺の開口部)や皮膚タンパク質を収縮させることで、皮脂分泌や発汗が抑制され、キメが整えられることです。これにより、肌は引き締められます。
     

    6. 有機米ぬかエキスの抗老化作用

    6.1 細胞賦活

    <試験方法>
    真皮線維芽細胞を24時間培養。その後、有機米ぬかエキス含有EMEMを加え48時間培養し、細胞数をMTT還元法で測定
    試験濃度: 35, 70, 280, 560 μg/mL 
    *P<0.05, **P<0.01, ***P<0.001

     

     
    有機米ぬかエキスは濃度依存的に真皮線維芽細胞の増殖促進効果を示しました。細胞賦活とは、正常細胞の増殖が活発になることを意味しています。線維芽細胞は真皮層においてコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を作り出す細胞です。これらにより細胞外マトリックス(ECM)が構築され、肌にハリ・弾力が生まれます。

    線維芽細胞が元気に増殖してECMを産生するためにはアミノ酸が重要で、さらにアミノ酸はコラーゲンとエラスチンの原料になります。
     


    6.2 コラーゲンおよびヒアルロン酸産生

    <試験方法>
    真皮線維芽細胞を24時間培養。その後、有機米ぬかエキス含有EMEMを加え48時間培養し、培地中のコラーゲンおよびヒアルロン酸をELISAでそれぞれ定量
    試験濃度: 28, 70, 140 (μg/mL)  *P<0.05, **P<0.01, ***P<0.001

     

     
    有機米ぬかエキスは真皮線維芽細胞のコラーゲンおよびヒアルロン酸産生を濃度依存的に促進させました。有機米ぬかエキスは特にヒアルロン酸産生促進において高い効果を発揮し、最大で182.5%の値を示しました。

    コラーゲンは柔軟な弾力がありながらしっかりした骨組みを構築することで、肌のハリ・弾力を保ちます。ヒアルロン酸は水分ををたっぷりと蓄えて、肌をみずみずしい状態に保ちます。肌の中で、コラーゲンは丈夫な柱を作り、その空間をヒアルロン酸が満たしています。
     

    7. 有機米ぬかエキスの抗酸化作用

    <試験方法>
    ・スーパーオキシド消去試験:キサンチン/キサンチンオキシダーゼ系により生じるO2-を測定
    ・OHラジカル生成抑制試験:過酸化水素のフェントン反応により生じるOHラジカルを測定
    ・過酸化脂質生成抑制試験:リノール酸が酸化してできる共役ジエンを測定
     試験濃度:28, 280 (μg/mL)
     **P<0.01, ***P<0.001

     

     
    有機米ぬかエキスは、活性酸素種であるスーパーオキシドアニオンとヒドロキシラジカル、および過酸化脂質の生成を抑制しました。

    皮脂腺から過剰に分泌した皮脂や、それが酸化されることで生じる過酸化脂質は、皮膚に対して炎症を引き起こしたり、キメの粗さの原因にもなります。
    皮膚で生じる活性酸素や過酸化脂質などの酸化ストレスを抑制することができれば、しみ・くすみ、しわ・たるみを防ぐことができ、キメの整った綺麗な肌を実現できます。

    有機米ぬかエキスには、活性酸素と過酸化脂質の生成を抑制することで、肌の酸化・炎症を抑制する効果が期待できます。
     

    8. 安心安全な有機栽培玄米の米ぬか

    8.1 独自農法により実現した完全無農薬・有機JAS認証米

    ■有機JAS認証米の「古代米浦部農園」

    ・群馬県藤岡市鮎川の古代米浦部農園で生産された完全無農薬の有機栽培米
    ・健康な食べ物を追い求め、14年もの試行錯誤を経て独自の有機稲作技術を確立
    ・農薬の付着・残留しやすい米ぬかでも、浦部農園の有機栽培玄米であれば安心

    ■有機農業を通じて健康、環境、文化・技術の継承に貢献

    ・日照時間が長く風通しがいいことから病害虫の発生が少ない有機栽培に適した土地 
    ・人々の健康のため農薬・化学肥料を使わない
    ・慣行農業で使用される農薬による自然環境への影響、子どもたちへの健康被害を危惧
    ・日本の在来種である古代米を栽培し、サスティナブルな農業を実践


    8.2 和食文化の名脇役、栄養素の宝庫 「米ぬか」

    玄米の精米時に約10%の割合で生じる「米ぬか」。和食文化において米ぬかは、糠床(ぬか漬け)や米油(天ぷら)などに使われる重要な素材です。

    玄米の栄養素の9割を含むといわれる「米ぬか」。米ぬかには約13%のタンパク質、約20%の脂質の他、微量栄養素であるビタミンEや亜鉛などが豊富に含まれます。米ぬか(玄米)を食べると「脚気」が直ることでビタミンB1が発見された話は有名です。脚気とは、白米食の広がりが原因となった「江戸患い」のことです。
     


    8.3 衰退しつつある日本の稲作

    ユネスコ世界遺産にも登録されている和食文化の中心「米」。しかし消費額ではすでにコメはパンを下回っています。和食文化は世界での評価は高まっていますが、我々日本人自身がその価値を忘れているのではないでしょうか。
     

     
    米の消費低下は生産量の低下につながり、もう一つの和食文化である「米ぬか」も手に入りにくくなります。
    古代米浦部農園は、有機農業研修を通じて農業技術と文化の継承にも尽力しています。
     


    8.4 生物多様性と稲田

    生物多様性条約にもとづき、「農業の生物多様性に関する決定」がなされまています。この決定において、水田は何世紀にもわたり多様な生きものの棲み家を提供する特有の生態系を維持するなど、生物多様性の保全に大きな役割を果たしていることが盛り込まれています。

    日本各地に広がる水田は、そこに生息する水生生物、それを捕食する生物たちの暮らしに重要な役割を果たしていることが分かっています。農薬を使用しない稲作を実践することは、地域の環境保全や生物多様性の維持につながります。
     

    9. 原料情報(SDGs)

    原料情報
    原料名1:有機米ぬかエキスHBG(液体化粧品用)
    原料英語名:Organic Rice Bran Extract HBG

    原料名2;有機米ぬかエキスパウダー(固形化粧品用)
    原料英語名:Organic Rice Bran Extract Powder

    表示名称 :コメヌカエキス(化粧品・医薬部外品)
    INCI:Oryza Sativa (Rice) Bran Extract
    中文名称:稻(ORYZA SATIVA)糠提取物

    自然指数および自然由来指数
    ・有機米ぬかエキスHBG:自然指数 0.7(水を含む)、自然由来指数 0.3
    ・有機米ぬかエキスパウダー:自然指数 1

    安全性情報
    ・24時間閉塞パッチテスト:刺激性なし
    ・SIRC細胞を用いた眼刺激性試験:刺激性なし
    ・ROSアッセイによる光毒性試験:陰性

    SDGs

    4.7/8.9/9.4/9.b/10.2/11.4/11.a/12.3/12.5/12.8/12.a/12.b/15.9/17.16/17.17(9目標16ターゲット)

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