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CICA 3A ~ツボクサエキス~

 
ふるさと元気プロジェクト [医薬部外品表示名称:ツボクサエキス]
              ※油溶性ツボクサエキスも

CICA(ツボクサ)の有効成分アシアチン酸を独自技術で高含有
肌表層の敏感肌・ニキビケアと肌深部の基底膜保護・シミ抑制

敏感肌・基底膜ケア原料 ~CICA 3A~2024.05.17

✔︎ 高浸透性のアシアチン酸とマデカシン酸を独自技術で高生成
✔︎ CICA*ならではの3つのアシッド「テルペン酸・フラボノール酸・イルビン酸」含有
✔︎ 基底膜分解酵素MMP-9の阻害による基底膜保護
✔︎ メラノサイト刺激ホルモンが誘導するメラニン産生を抑制
✔︎ アクネ菌誘導性炎症抑制による敏感肌・ニキビケア

  *Centella asiatica(ツボクサの学名)


  目 次

  • 1. 期待される効果と有効性情報

  • 2. CICA(ツボクサ)とは

  • 3. ツボクサの美容を支える「CICAトリプルアシッド(CICA3A)」

  • 4. 独自技術でツボクサの力を引き出す

  • 5. シワ抑制

  • 6. シミ抑制

  • 7. アクネ菌誘導性炎症を抑制しニキビ・敏感肌改善

  • 8. 原料情報

  •  


    1.期待される効果と有効性情報

    期待される効果

    ■シミ・シワ・創傷治癒

    有効性情報

    ■シミ
    メラニン産生抑制(メラニン量)
    抗炎症(IL-1α生成抑制)
    抗酸化(O2-ラジカル)
    抗酸化(OHラジカル)
    抗酸化(過酸化脂質)

    ■シワ
    基底膜保護(MMP-9阻害)
    抗炎症(MMP-9阻害)
    コラーゲン産生(真皮コラーゲン量)

    ■敏感肌・ニキビ
    NMF産生・バリア機能(FLG生成促進)
    敏感肌・ニキビ抑制(アクネ菌誘導炎症抑制)
    抗炎症(IL-1α生成抑制)


     

    2.CICA(ツボクサ)とは

    ツボクサ(学名:Centella asiatica;英名:Pennywort)はセリ科ツボクサ属の多年生草本植物で、地表を這い回る草型、ハート形の葉が特徴です。

    「ツボクサ」とは和名の「壺草」であり、庭(壺)に生えている草を意味しています。ハーブ医療の世界では「ゴツコラ」、アーユルヴェーダでは「ブラフミー」、中国では「積雪草」とも呼ばれ、世界で様々な名前で呼ばれる薬草です。野生のトラがケガを治す際に、ツボクサに体を擦り付けたという逸話から「タイガーハーブ」とも呼ばれます。

    化粧品では、学名を短縮したCICA(シカ)という呼び方が広く使われており、Beauty Plantとして注目されています。ツボクサ(CICA)には、皮膚の抗糖化や創傷治癒の効果が期待されています。

    ツボクサは、インド、スリランカ、ベトナム、タイ、カンボジア、アフリカ、オーストラリア、中央アメリカ、南アメリカ、マダガスカルなど世界中で見られ、商業利用としてはインドとマダガスカル産が多くなっています。

    日本では関東より南の地域に広く分布しているといわれますが、実際には希少な植物となっています。生産としてはハウス栽培が主流で、光や湿度を調節したり、水耕で栽培されるなど、サステナブルな生産体系が構築されつつあります。

    ・Anti-glycative effects of asiatic acid in human keratinocyte cells.
     Z-H Wang. Biomedicine (Taipei). 4(3) 19 (2014)
    ・Centella asiatica and its metabolite asiatic acid: wound healing effects and therapeutic potential.
     L Diniz et al. Metabolites. 13(2) 276 (2023)


     

    2.1 世界の人々の美と健康を支えてきたMedical Plant

    世界各国における薬用の歴史は古く、伝承や利用法には以下のようなものがあります。

    ・ゴツコラの記録としては中国の神農本草経(約1〜2世紀)に記載があり、「奇跡の不老不死薬」の1つとされている。
    ・インドのアーユルヴェーダの基礎医学書の1つである「スシュルタ・サンヒター」(約3〜4世紀)に記載があり、「若返りの薬」とされている。
    ・タイ伝統医療のハーブ辞典に、集中力や記憶力を高め、脳を活性化させると記載されている。
    ・欧米のハーブ医療では、18世紀にイタリアで強皮症の緩和のために利用されていた。
    ・ベトナムでは「rau má」と呼ばれる薬用のほか、日本の青汁のような健康飲料として用いられる。

    ・Pharmacological review on Centella asiatica: a potential herbal cure-all.
     KJ Gohil et al. Indian J Pharm Sci. 72(5) 546–556 (2010)


    2.2 WHOが認める薬用植物

    世界各地で古代から利用され、世界の数ある天然ハーブのなかでもツボクサは「最も重要な若返りのハーブ」ともいわれます。WHO(世界保健機構)が「21世紀の驚異的薬草」、「保護すべき薬用植物の中でもっとも重要なものの一つ」として認めています。

    (参考)「WHO monographs on selected medicinal plants – Volume 1」
    WHOが世界中の専門家協力(40か国の100名)のもと研究情報(1400件の文献)を精査し、厳選した薬用植物の文献。その品質管理と伝統的および臨床的使用を網羅する薬草論文。薬用植物の選択は、世界各国での一次医療ニーズの依存性の大きさに基づいている。

    (下痢、便秘、頭痛、食欲不振、睡眠障害、疲労、軽度の呼吸器疾患、胃腸疾患、皮膚疾患など)各章には、実験および臨床薬理学に関する広範なデータが含まれている。加えて、過敏症やアレルギーなどの禁忌、警告、特に妊娠中および授乳中の女性などの特別な群における予防措置、副作用、および用量に関する情報が含まれている。


    3.ツボクサの優れた美容効果を支える「3つのCICAアシッド」

     
    抗炎症成分グリチルリチンは酸性物質
    植物由来の生理活性物質は様々な形で産業利用されていますが、なかでもとりわけ活用されてきたのが甘草の根由来のグリチルリチン酸です。トリテルペン酸であるグリチルレチン酸にグルクロン酸が2分子結合した酸性物質です。抗炎症作用や抗アレルギー作用をもつことから、医薬品、医薬部外品、化粧品に広く利用されています(二カリウム塩として)。

    炎症性タンパク質(HMGB1)に対する活性阻害やステロイド代謝酵素(11β-HSD)を阻害する機能が知られています。いずれもタンパク質の機能制御をメカニズムとしており、そこにはタンパク質に対する酸性基のアフィニティーが関与していると考えられています。

    皮膚のアニオントランスポーター
    皮膚は環境と身体の間の主要なインターフェースであるため、さまざまな異物にさらされています。異物の皮膚への浸透は、主に物理的拡散(受動拡散)が中心となりますが、皮膚にも特異的な輸送体が存在することが明らかとなっています。その一つが有機アニオン輸送ポリペプチドOATPであり、グルクロン酸抱合体などのアニオン物質の代謝に関わっています。このことから、フラボノールなどのグルクロン酸誘導体にはグルコース誘導体とは異なる特別な機能があることが予想されます。

    Active influx transport is mediated by members of the organic anion transporting polypeptide family in human epidermal keratinocytes.
    R Schiffer et al. J Invest Dermatol. 120 2 285-291 (2003)

    ツボクサのトリプルアシッド
    CICAに含まれるカルボキシ基を持つアニオン性機能性物質は、クロロゲン酸、フラボノール酸、そしてトリテルペン酸の3つに分類されます。これらは、負電荷による親和性の高さから生体膜の調節機能を発揮します。ポリフェノール酸はとくに膜の親水性領域との親和性が高く、肌では角層細胞周辺、細胞間脂質の保水領域で抗酸化能を発揮することが期待されています。

    さらに、アシアチン酸は生体の多くの酵素、受容体、成長因子、転写因子、あるいは細胞シグナル伝達カスケードに影響を与えることが分かっています。これらの機能発現にはカルボキシ基が大きく関与していることが報告されています。

    CICAでは、これら酸性型の生理活性成分が協調的・相乗的に肌で作用することで、ツボクサで知られている様々な機能が発現すると考えられます(下図)。
     

    ・Stimulation of collagen biosynthesis by flavonoid glycosides in skin fibroblasts of osteogenesis imperfecta type I and the potential mechanism of their action.
     A Galicka & J Nazaruk. Int J Mol Med. 20 889-895 (2007)
    ・Pharmacokinetic study of bioactive flavonoids in the traditional Japanese medicine Keigairengyoto exerting antibacterial effects against Staphylococcus aureus.
     T Matsumoto et al. Int J Mol Sci. 19 328 (2018)
    ・Comparison of metabolism and biological properties among positional isomers of quercetin glucuronide in LPS- and RANKL-challenged RAW264.7 cells.
     M Nishikawa et al. Biosci Biotech Biochem. 86 12 (2022)
    ・Anti-inflammatory, antioxidant, moisturizing, and antimelanogenesis effects of quercetin 3-O-β-D-glucuronide in human keratinocytes and melanoma cells via activation of NF-κB and AP-1 pathways.
     AT Ha et al. Int J Mol Sci. 23 433 (2022)


     


    3.1 CICAトリテルペン酸

    アシアチン酸とマデカシン酸はツボクサの薬理作用を支える象徴的な成分です。創傷治癒・抗菌活性・コラーゲン産生・抗チロシナーゼ活性・NMF産生・抗酸化など様々な有効性が報告されています。

    CICAトリテルペン酸は、植物体中では水溶性を高めて安定的に貯蔵するため、アシアチコシドやマデカッソシドといった配糖体として存在しています。これらは乾燥などの環境ストレスにさらされた際に、脂溶性の高いアシアチン酸とマデカシン酸へと変換されます。これは組織内の脂溶性、すなわちバリア機能を高めることで水分の流出を防ぐためといわれています。

    ・Pharmacological effects of Centella asiatica on skin diseases: Evidence and possible mechanisms.
     KS Park. Evid Based Complement Alternat Med (2021)
    ・Centella asiatica and its metabolite asiatic acid: Wound healing effects and therapeutic potential.
     LRL Diniz et al. Metabolites. 13 276 (2023)


    3.2 フラボノールグルクロニド(グルクロン酸)

    ケルセチン-3-グルクロン酸(Q3GA)は、脂溶性の高いケルセチンを水溶化させ安定的に植物体内に蓄積するために植物が作り出した天然成分です。紫外線に応答して生産量が増大します。

    ケルセチンアグリコンは高い細胞浸透性と抗酸化活性をもちますが、細胞毒性を発揮しやすいという負の面も有しています。そこで人体には、摂取したケルセチンを解毒するためのグルクロン酸抱合という機能が備わっており、体内でQ3GAが作り出されています。ケルセチンはQ3GAの形になっても高い抗酸化・抗炎症作用などを有していることが明らかとなっています。また上記のとおり、グルクロン酸結合体ならではの特異の代謝経路もあるとされています。

    ・Anti-inflammatory, antioxidant, moisturizing, and antimelanogenesis effects of quercetin 3-O-β-D-glucuronide in human keratinocytes and melanoma cells via activation of NF-κB and AP-1 pathways.
     AT Ha et al. Int J Mol Sci. 23 433 (2022)
    ・Dynamics of flavonol accumulation in leaf tissues under different UV-B regimes in Centella asiatica (Apiaceae).
     LPR Bidel Planta volume 242 545–559 (2015)
    ・Cytotoxicity of flavonoids toward cultured normal human cells.
     M Matsuo et al. 28 2 253-259 (2005)
    ・Induction of cytotoxic and genotoxic responses by natural and novel quercetin glycosides.
     A Engen et al. Mutat Res Genet Toxicol Environ Mutagen. 784-785 15-22 (2015)
    ・Protective effect of quercetin 3-O-glucuronide against cisplatin cytotoxicity in renal tubular cells.
     D Muñoz-Reyes et al. Molecules. 27 1319 (2022)

    グルクロン酸転移酵素であるUDP-グルクロノシルトランスフェラーゼは皮膚にも存在することが報告されていますが、外因性のフラボノイドに対する抱合能力はほとんど分かっていません。そのため、あらかじめ抱合体となっている植物性フラボノール-グルクロン酸誘導体であれば、高い抗酸化力・抗炎症力を持つとともに、肌細胞にも優しい美容成分として期待できます。さらに、細胞毒性をもつ別の成分から細胞を守る作用もあるとされています。

    ・Importance of UDP-glucuronosyltransferase 1A1 expression in skin and its induction by UVB in neonatal hyperbilirubinemia.
     K Sumida et al. Mol Pharmacol. 84 679–686 (2013)


     


    3.3 イルビン酸

    イルビン酸はツボクサで初めて発見されたクロロゲン酸の仲間で、強力なラジカル消去活性とコラゲナーゼ阻害活性を持ちます。

    ・Irbic acid, a dicaffeoylquinic acid derivative from Centella asiatica cell cultures.
     F Antognoni et al. Fitoterapia 82 950-4 (2011)


     

    4.独自技術でCICAの力を引き出す

    4.1 独自技術でアシアチン酸とマデカシン酸を高産生

    新鮮なツボクサ葉に独自加工処理を施すことで、未処理に対してCICA有効成分であるアシアチン酸とマデカシン酸をそれぞれ3.0倍と3.8倍まで増加させることに成功しました。
     

     図 独自技術によるアシアチン酸高産生


    4.2 肌の奥深くまで浸透(臨床試験)

     
    イルビン酸とフラボノール酸は浅層への浸透後、深層にかけて一定量浸透していることがわかります。イルビン酸の分子量は602とクロロゲン酸類の中では大きめですが、深層部でも比較的多く検出されました。ポリフェノールの中ではK3GAが最も浸透性が高く、フラボノイドB環にジフェニル構造を持たない低極性構造に起因するものと考えられます。

    CICAトリテルペン類については、配糖体よりアグリコンの方が浸透率が高く、角層の深層部ではトリテルペン酸であるアシアチン酸とマデカシン酸はアシアチコシドとマデカッソシドに対してそれぞれ2.5倍と2.2倍の浸透率を示しました。
     

    5.シワ抑制

    5.1 基底膜分解酵素MMP-9を阻害

    <試験方法>
    MMP-9活性阻害試験:
    ヒトリコンビナントMMP-9と検体をインキュベートした後、基質と反応させ比色測定
    GK2試験濃度: 15, 50, 150 μg/mL
    ツボクサ試験濃度: 65, 220, 650 μg/mL
    **P<0.01, ***P<0.001 vs GK2


     

     
    CICA3A(ツボクサエキス)はMMP-9(マトリクスメタロプロテアーゼ)の活性を濃度依存的に抑制しました。この効果は、抗炎症成分であるグリチルリチン酸ジカリウム(GK2)ではほとんど確認されませんでした。

    基底膜とは、皮膚の表皮細胞の最下層に位置する基底層のさらに下(表皮と真皮の間)に存在する厚さ約60~80nmのとても薄い膜です。この基底膜は表皮細胞(上皮)の土台となるものです。

    基底膜は、Ⅳ型コラーゲンやⅦ型コラーゲン、フィブロネクチン、プロテオグリカン、エラスチンなどから構成されます。Ⅳ型コラーゲンは基底膜の主要成分として網目構造を形成し、Ⅶ型コラーゲンは基底膜と真皮とを繋ぎ止めるアンカーの役割があります。また、細胞接着因子であるフィブロネクチンは創傷治癒にも関わることが知られています。

    これらのタンパク質はいずれも肌の構造を維持する上で重要な役割を担っていますが、紫外線刺激により発現が亢進するMMP-9によって分解されてしまいます。

    この基底膜ダメージが、肌の老化(光老化)、シミ、創傷治癒の遅延につながると考えられています。メラニンを作り出すメラノサイトは基底層に存在することから、基底膜ダメージはメラニン過剰生成やターンオーバー遅延によるシミの発生にもつながります。

    基底膜は表皮の最下層に位置します。そのため、浸透性の高いアシアチン酸とマデカシン酸を豊富に含む本原料であればより高い効果が期待できます。

    最近の研究からMMP-9の量が男性は女性よりも多いことが報告されています。このことは、全年代において男性の方が女性よりも肌の弾力・ハリの指標が低いことと関連していると考えられます。よって本原料CICA3Aは、男性用スキンケア原料(メンテック)としても効果的です(ジェンダードイノベーション)。

    (参考)
    ・光老化皮膚における皮膚内部構造変化
     松永由紀子 東邦医学会雑誌. 63(1) 36‑38 (2016)
    ・上皮創傷治癒におけるフィプロネクチン,インテグリンおよび蛋白分解酵素の役割 
     西田輝夫 血栓止血誌 5(1) 1-8 (1994)
    ・皮膚の炎症性疾患におけるmatrix metalloproteinase-9 の役割-Leptomycin B 投与による治療の可能性について-
     小林孝志、Inflammation and Regeneration 24 5 (2004)
    ・資生堂、男性の目尻のシワは女性より早く形成されることを発見
     粧業日報 2021年11月19日号 p3


     


    5.2 I型コラーゲン産生

    <試験方法>
    真皮線維芽細胞を24時間培養。その後、CICA 3A含有EMEMを加え48時間培養し、コラーゲンをELISAで定量
    試験濃度: 22 (μg/mL)  **P<0.01


     

     
    CICA 3Aは真皮線維芽細胞のコラーゲン産生を促進させました。コラーゲンは柔軟な弾力がありながらしっかりした骨組みを構築することで、肌のハリ・弾力を保ちます。
     


    5.3 CICA3Aによる基底膜保護(まとめ)

    1)紫外線刺激(α-MSH)からの保護
    表皮細胞は紫外線ストレスに応答してメラノサイト刺激ホルモン(α-MSH)を作り出します。α-MSHがメラノサイトに働きかけることで、メラニン産生が促進されます。α-MSH刺激メラニン産生を抑制できれば、シミ形成を効率的に抑えることができます。

    紫外線刺激はMMP-9を活性化させます。また、紫外線刺激によって活性化したメラノサイトも特異なシグナルによりMMP-9を活性化させます。従って、α-MSHによるメラノサイトの活性化を抑えることは、MMP-9の抑制にもつながります。

    2)MMP-9阻害:カドヘリン保護によるシミ滞留改善
    シミ部位では、細胞同士を接着させる分子であるE-カドヘリンが減少していることが報告されています。E-カドヘリンはメラノサイトを基底層に安定的につなぎとめる役割も担っています。このE-カドヘリンの分解にMMP-9が強く関わっています。MMP-9を阻害することでE-カドヘリンの減少を抑制でき、シミの滞留や取り込みの抑制につながることが期待されます。

    ・資生堂、細胞接着分子E-カドヘリンがシミの発生・定着に関与することを発見
     ニュースプレスリリース 2022年10月13日
    ・Type-1 cytokines regulate MMP-9 production and E-cadherin disruption to promote melanocyte loss in vitiligo
     N Boukhedouni et al. JCI Insight 5 11 (2020)

    3)MMP-9阻害:エラスチン保護による肌たるみ改善
    真皮エラスチンの一つであるオキシタラン線維は、基底膜と直接接しており、真皮と基底膜を結合する役割を担っています。紫外線がこのエラスチンを分解するだけでなく、紫外線により活性化されたMMP-9がエラスチンを分解して、肌の弾力を低下させてしまいます。MMP-9の活性を低下させることで、肌のたるみの抑制につながります。

    4)基底膜崩壊、重力により表皮のずれ、顔のたるみ、肌深部へのシミ
    上記2)と3)の分解系が進行すると基底膜の土台が分解され、基底膜の接着力が弱くなります。その結果、重力による表皮のずれが生じ、顔のたるみの原因となります。さらに、接着力が低下して基底膜がもろくなると、メラニンの真皮への落ち込みが生じて、肌深部にシミが発生します。
     

    6.シミ抑制

    6.1 メラノサイト刺激ホルモン下におけるメラニン産生抑制

    メラニン産生抑制試験:
    B16メラノーマ細胞を24時間培養、α-MSH(メラノサイト刺激ホルモン)およびCICA3A含有DMEMを加え72時間培養。その後、細胞数測定、メラニン可溶化後、OD405で測定
     試験濃度: 2, 65 μg/mL


     

     
    α-MSHをB16メラノーマ細胞に添加すると、メラニン産生量が促進されました(上左図)。

    紫外線刺激により表皮細胞から過剰にα-MSHが分泌され、メラノサイト表面にあるMC1R(メラノコルチン1受容体)の活性化を介して転写因子MITF(色素細胞特異的転写因子)が刺激され、チロシナーゼ生成が誘導されます。その結果、メラニンが産生されます。

    このα-MSH刺激B16メラノーマ細胞において、CICA3A(ツボクサエキス)はメラニン産生を有意に抑制しました(上左図)。この時、細胞生存率には影響を与えませんでした(上右図)。

    以上から、CICA3Aはメラノサイトに傷害を与えることなくシミを抑制することが期待できます。
     


    6.2 抗酸化作用

    試験方法:
    ・スーパーオキシド消去試験:キサンチンオキシダーゼ系により生じるO2-消去能を測定
    ・OHラジカル消去試験:過酸化水素から生じる・OHラジカル消去能を測定
    ・過酸化脂質抑制試験:リノール酸が酸化して生じる共役ジエンを測定
    試験濃度:2, 22 μg/mL(スーパーオキシド、ヒドロキシラジカル); 22, 110 μg/mL(過酸化脂質))**P<0.01, ***P<0.001


     

    CICA3A(ツボクサエキス)は濃度依存的に活性酸素を消去しました。また、過酸化脂質生成においても22μg/mLの濃度で79%の高い阻害率を示しました。
     

    7.アクネ菌誘導性炎症を抑制し敏感肌ニキビケア

    7.1 アクネ菌誘導性の炎症を抑制

    アクネ菌は、その代謝産物であるプロピオン酸や脂肪酸によって皮膚表面を弱酸性に保ち、さらに有害菌の皮膚への定着を防ぐという役割をもっています。しかし、過剰に分泌した皮脂が毛穴が詰まらせると、酸素が少なくなりアクネ菌は過剰に増殖してしまいます。

    この時アクネ菌がリパーゼやプロテアーゼなどを産生し、それらが直接あるいはその代謝産物が炎症の原因となります。アクネ菌を培養すると培地中には様々な炎症因子が作り出されることがわかっています。例えば、アクネ菌培養上清に含まれるプロテアーゼが皮膚のPAR2(表皮に存在するプロテアーゼ受容体。炎症やかゆみのシグナル伝達に強く関わる)を活性化することで、IL-1αやTNF-αなどの炎症性サイトカインが誘発されることが報告されています1)。

    <試験方法>ケラチノサイトを培養、細胞内ROS検出試薬としてH2DCFDをHBSSで希釈後添加し、30min保持。洗浄後、CICA3AをHBSSで濃度調製して添加。
    Ex: 485 nm/Em: 535 nmにて蛍光強度を測定
    試験濃度: 3.5, 10, 35, 100 μg/mL
    *Different letters indicate statistically significant differences


     

     
    今回我々は、アクネ菌培養上清液をケラチノサイトに添加することで、細胞炎症の元凶となるROS産生が促進されることを見出しました。そこにCICA3Aを添加すると、濃度依存的に炎症レベルの抑制が観察され、その効果は添加初期の30minから180min経過しても持続することが示されました。

    アクネ菌といえばニキビ、というだけではありません。美肌菌として知られる表皮ブドウ球菌とアクネ菌との菌叢バランスの乱れは、敏感肌の原因になるともいわれています2)。また、アクネ菌の暴走により生じるPAR2活性化は、肌の炎症を引き起こすだけでなく、かゆみの原因でもあることから外的刺激に対して肌を過敏にさせてしまいます。

    1) Protease-activated receptor-2 mediates the expression of inflammatory cytokines, antimicrobial peptides, and matrix metalloproteinases in keratinocytes in response to Propionibacterium acnes.
     SE Lee et al. Arch Dermatol Res. 302(10) 745–756 (2010).
    2) 敏感肌での皮膚常在菌叢
     柴垣奈佳子 オレオサイエンス 23(11) (2023)


     


    7.2 ケラチノサイトの抗炎症作用

    <試験方法>
    ヒト表皮角化細胞を24時間培養。その後CICA3A含有DMEMを加え48時間培養。RNA抽出よびcDNA合成。cDNAを用いてRT-qPCR。
    試験濃度: 0.35, 3.5 μg/mL
    *P<0.05, **P<0.01

    <遺伝子の特徴>
    IL-1α(Interleukin-1α: インターロイキン-1α)
    紫外線や環境汚染物質などの環境ストレスにより生じたROSは、皮膚細胞からIL-1αという炎症性サイトカイン産生を引き起こします。IL-1αは炎症イニシエーターとしての強い作用をもち、炎症の細胞内スイッチである転写因子NF-kBを活性化して、各種炎症性サイトカインの産生を促します。
     

     
    皮膚の炎症性バイオマーカーとしてIL-1αを選定しました。ケラチノサイトに添加したCICA3AはIL-1αの遺伝子発現を有意に抑制することがわかりました。このことから、CICA3Aは表皮細胞に対する抗炎症作用をもち、紫外線により誘導される炎症性のシミ発生や、外的ストレスに過敏に反応して生じる肌の炎症を抑制する効果が期待できます。


    7.3 フィラグリン産生促進

    <試験方法>ヒト表皮角化細胞を24時間培養。CICA3A含有DMEMを加え時間培養。RNA抽出よびcDNA合成、cDNAを用いてRT-qPCR。
    試験濃度: 3.5, 35 μg/mL
    *P<0.05, **P<0.01


     

    CICA3Aはケラチノサイトのフィラグリン遺伝子の発現を促進させました。フィラグリンは皮膚のバリア機能(雑菌の侵入や肌内部からの水分蒸散を防ぐ機能)や潤いを保持する保湿機能に関わる重要なタンパク質です。

    フィラグリンは人が持つ保湿成分である天然保湿因子(Natural Moisturizing Factor:NMF)の一つ、アミノ酸の元となるタンパク質です。フィラグリンは肌の代謝と共に分解されてアミノ酸となり、アミノ酸はNMFとして角層水分を保持します。

    フィラグリンが低下すると角層のバリア機能が低下し、乾燥や炎症が生じやすくなります。その結果、ターンオーバーは乱れ、角層に肥厚などが生じることで毛穴も詰まりやすくなります。
     

    8.原料情報

    原料情報
    化粧品原料名: フィトログ CICA 3A
    化粧品表示名称: ツボクサ葉エキス
    医薬部外品表示名称: ツボクサエキス
    INCI: Centella Asiatica Leaf Extract
    中文名称: 积雪草(CENTELLA ASIATICA)叶提取物
    自然由来指数:100%(水を含む)※ISO 16128規定の自然原料等の定義と計算方法に基づく
    産地:東京都など国産

    安全性情報
    ・24時間閉塞パッチテスト:刺激性なし
    ・SIRC細胞を用いた眼刺激性試験:刺激性なし
    ・ROSアッセイによる光毒性試験:陰性
    ・敏感肌パッチテスト:安全品

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