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小野川温泉の活性型イソフラボン

ふるさと元気プロジェクト
豪雪地帯に伝わる伝統野菜「温泉豆もやし」から独自技術により実現させた活性型イソフラボン原料:女性ホルモン様作用が更年期の肌悩みを改善
 ~小野川温泉の活性型イソフラボン~2019.12.23

✔ 多くの女性が悩みを抱える生理的な肌老化は女性ホルモンの低下が一因
✔ 一般的なイソフラボン化粧品原料は女性ホルモン様物質としては不活性型
✔ 山形県米沢の伝統の冬野菜、小野川の温泉豆もやしに着目
✔ 植物の力を引き出す独自技術で活性型イソフラボンを高含有
✔ 活性型イソフラボンの女性ホルモン様作用による多彩なエイジングケア効果

 


1. 大豆イソフラボンは女性ホルモンと類似の構造と作用をもつ

イソフラボンはフィト(植物)エストロゲンとも呼ばれ、女性ホルモン(エストラジオール)と構造が類似しており(下図)、エストロゲンレセプターと結合し、「おだやかな」エストロゲン様作用を発揮します。

皮膚にもエストロゲンレセプター(ER)と女性ホルモン合成系は発現しており、エストロゲンは皮膚の老化抑制(線維芽細胞によるコラーゲン、ヒアルロン酸などの産生促進)、皮膚水分の保持、表皮細胞の増殖促進による創傷治癒、ニキビ予防など、皮膚の健康維持にとても重要な成分です1,2)。いわば「綺麗ホルモン」と呼ぶことができます。

1) Eyster KM. Methods Mol Biol. 1366 1-10 (2016) The estrogen receptors: An overview from different perspectives.
2) Kawato S. Cosmetology 23 71-77 (2015) 「皮膚細胞は独自に女性ホルモンを合成し、それが皮膚細胞の活動を制御している」

 

                出典:Kawato S. Cosmetology 23 71-77 (2015)から改変

この綺麗ホルモン「エストロゲン」は、月経が終わるころに分泌が増え、気持ちを安定させ、体を軽く感じさせたり、肌や髪の潤いを保つのにも役立っています。一方、エストロゲンの低下する黄体期には、体はむくみやすく、肌が乾燥したりと、美容面にも影響が表れます。
 

さらにエストロゲンは、20代をピークに低下し始め、閉経前後におきる卵胞の消失と排卵の停止により産生が消失していきます。このエストロゲンの低下が女性の肌トラブルの一因と考えられています。
 

        出典:更年期と加齢のヘルスケア Vol.8 (2009)から一部改変

このような背景から、エストロゲンを補う療法「ホルモンリプレースセラピー:HRT」が海外では積極的に行われています。そこで、毎日の基礎化粧品で女性ホルモン様作用の期待できるイソフラボンを積極的に塗布することは、エイジングケアにおいて有効と考えられます。
 

ホルモン補充療法(HRT: Hormone Replacement Therapy):
 ・閉経後の急激な女性ホルモン減少を調整して症状の改善を行う療法
 ・更年期症状(ホットフラッシュなど)改善、骨吸収抑制、脂質代謝改善、皮膚萎縮予防など
 


2. 課題:大豆化粧品原料に含まれるイソフラボンは不活性型

 
しかし、現在化粧品原料として利用されているイソフラボン原料の多くが、実は「不活性型」であることが課題でした。食品であれば不活性型のイソフラボン配糖体は消化系の代謝で活性型に変換できます。しかし、外因性物質の代謝活性の低い皮膚に塗布する化粧品では、女性ホルモン様作用を発現させるためには、予め活性型に変換しておく必要があります。
 

 
sdg_icon_09_jaエストロゲン受容体に結合して女性ホルモン様作用が期待できるのはイソフラボンアグリコンであり、
これを「活性型イソフラボン」と呼びます

sdg_icon_09_ja天然のイソフラボンは、
ゲニスチン、マロニルゲニスチン、アセチルゲニスチン
などの配糖体として存在しており、
これらはエストロゲン受容体への親和性が低いことから
不活性型イソフラボン」であるといえます。
一般的な化粧品原料にはこのタイプが多く含まれます。

 
 


3. 着目:大豆の根は活性型イソフラボンを介して根粒菌と共生

 
sdg_icon_09_ja根粒菌は空気中の窒素を有機体窒素(アンモニア)に変換し、大豆(Glycine max)に供給します。大豆は光合成産物である炭水化物を根粒菌の栄養源として供給します。土中の根圏ではこのような大豆と根粒菌との共生関係が成立しており、痩せた畑でもマメ科植物が旺盛に成長し、土壌を肥沃にすることが知られています。

 
実はこの共生関係を作る上で、重要な役割を担っているのが活性型イソフラボンです3)。

3) Subramanian S et al. Plant J. 48 261–73 (2006). Endogenous isoflavones are essential for the establishment of symbiosis between soybean and Bradyrhizobium japonicum.

 
大豆は通常の植物に広く見られるフラボンではなくイソフラボンを合成し、配糖体として主に胚軸に貯蔵しています。発芽後の根は配糖体を分解して活性型(アグリコン型)イソフラボンを作り出し、根粒菌はフラボンとは構造の異なるイソフラボンを識別して大豆根に寄生します。活性型イソフラボンは根粒菌の窒素固定能を遺伝子レベルで活性化します。このように、活性型イソフラボンをシグナル分子として共生関係が成立しています。つまり、大豆の根は活性型イソフラボンを産生する能力が高いと推測されます。この大豆の根に特有の機能に着目し、活性型イソフラボン原料を開発しようと考えました。
 

そこでサティス製薬では、大豆のなかでも発芽の力と根の力の両方を併せ持つ「温泉豆もやし」に着目しました。山形県米沢市小野川に伝わる伝統野菜である温泉豆もやしは冬に温泉熱で砂耕栽培され、根が発達するのが特徴です。


4. 温泉豆もやしとは

温泉豆もやしは、市販豆もやしと比べて巨大で根が成長しています。胚軸(茎)も丈夫で、食べるとシャキシャキした食感が楽しめます。根は天ぷらなどで食べることもありますが、多くは捨てられています。この地域伝統の温泉豆もやしに秘められた価値を引き出し、化粧品原料に活用しようと考えました。
 


5. 温泉豆もやしの根は活性型イソフラボンを高産生

 
まず温泉豆もやしを子葉、胚軸、根の3つの部位に分け、それぞれを独自技術で処理して活性型への変換効率を調べました。子葉部にはダイゼイン型とゲニステイン型の両方のイソフラボンが豊富に含まれますが、それらの変換効率は約50%と高くはありませんでした。しかし根では活性型イソフラボンのみが含まれており、根は不活性型イソフラボンを活性型へ変換する能力が高いという仮説が実証されました(上図右)。
 

 
比較として生大豆エキス(一般的なイソフラボン化粧品原料に相当)のイソフラボンを分析した結果、不活性型イソフラボン(イソフラボン配糖体)しか含まれておらず、活性型イソフラボンはほとんど含まれないことが確認されました(上図左)。
 次に温泉豆もやし全体を植物の力を引き出す当社独自技術により原料化しました。その結果、活性型イソフラボンを高含有する化粧品原料の開発に成功しました(上図右)。そこで、本原料を「小野川温泉の活性型イソフラボン」と名付けました(以下、温泉活性型イソフラボンと称す)。この活性型イソフラボン量は、大豆エキスに対して、ダイゼインで174倍、ゲニステインで58倍にもなります。活性型イソフラボンは皮膚において女性ホルモン様作用を示すことから、エイジングケア効果が期待できます。
 


6. エストロゲンレセプターへのアゴニスト活性 -レポーターアッセイ-

 
女性ホルモン様作用が発現するためには、イソフラボンがエストロゲンレせプター(ER)に結合し、アゴニスト(作動薬)として作用する必要があります。そこで、ERαへのアゴニスト作用について、レポーターアッセイを用いて活性型と不活性型イソフラボンを比較分析しました。

<試験方法>
試験品:温泉活性型イソフラボン、市販豆もやしエキス(不活性型イソフラボン)、イソフラボン化粧品原料(不活性型イソフラボン)※総イソフラボン量としてすべて同モル濃度に調製

GeneBLAzer核内受容体アッセイ(ERα-Agonist)
ER-alpha-UAS-bla GripTite 293(HEK由来)をDMEMに懸濁し検体添加
37℃で16-24hrインキュベート、基質を添加し室温で2hrインキュベート
蛍光検出器による520nmから447nmへのシフトを測定
 

 
<結果と考察>
同モル濃度のイソフラボン溶液として調製した3検体のうち、温泉活性型イソフラボンはERαへのアゴニストとして作用することが示されました。その活性の強さを表すEC50は232nM(ダイゼイン相当量として59ng/mL)でした。一方、イソフラボンのマロニル配糖体からなる市販化粧品原料と市販豆もやしから調製したエキスでは、アゴニスト作用はほとんど観察されませんでした(EC50 > 1150nM)。
 今回の結果から、女性ホルモン様物質としては大豆に含まれるイソフラボン配糖体は不活性型であり、「小野川温泉の活性型イソフラボン」に含まれるイソフラボンアグリコンは活性型であることが確認されました。

<イソフラボンの男性への効果は?>
イソフラボンは男性ホルモンであるテストステロンとも構造が類似しています。イソフラボンはテストステロンをジヒドロテストステロン(DHT、活性型男性ホルモン)へと変換させる、5αリダクターゼの結合を阻害することが知られています。DHTは過剰な皮脂分泌、頭部薄毛(AGA)、体毛増加を促すホルモンです。そのため活性型イソフラボンには、過剰なDHT産生を抑制することで薄毛の予防や脂性肌の改善効果が期待できます。また、女性でもテストステロンは作られており、加齢によるエストロゲンの低下とともにテストステロンが優勢になるので、イソフラボンによるヘアケアなどは男女共通して有効であると考えられます。
 


7. 活性型イソフラボンの角層浸透性

◆活性型イソフラボンは高浸透
活性型イソフラボンとはいえ、女性ホルモン様作用の発現のためには経皮吸収が重要となります。そこで、活性型イソフラボンからなる温泉活性型イソフラボンと不活性型イソフラボンのみからなる大豆エキスを皮膚に塗布して、テープストリッピング法により角層浸透性を評価しました。その結果、角層浅層では活性型イソフラボンの浸透量は不活性型の11倍、さらに深層部では66倍もの差が見られ、活性型イソフラボンは高浸透性であることが分かりました。活性型イソフラボンはアグリコン型のイソフラボンで、低分子・脂溶性であることから、角層浸透性に優れる成分です。
 

 
◆活性型イソフラボンは有効成分の浸透を促進させるエンハンサー
上の図は疎水性トレーサーであるナイルレッドが三次元表皮モデルに浸透した写真です。温泉活性型イソフラボン塗布細胞では、大豆エキス塗布よりも表皮全体が染色されています。イソフラボンアグリコンの疎水性の化学構造が、細胞間脂質のラメラ構造の流動性を変化させ、物質の浸透性を向上させた可能性が示唆されます。温泉活性型イソフラボンは、自身が透過性に優れるだけでなく、他の化粧品有効成分の浸透性を向上させるエンハンサーの効果も期待できます。
 


8. 細胞賦活作用 -真皮線維芽細胞-

<試験方法>
真皮線維芽細胞を24時間培養。その後、温泉活性型イソフラボン含有EMEMを加え48時間培養し、細胞数をMTT還元法で測定
試験濃度: 4.3, 13, 84 μg/mL

<結果と考察>
温泉活性型イソフラボンは濃度度依存的に真皮線維芽細胞の増殖促進効果を示しました。細胞賦活とは、正常細胞の増殖が活発になることを意味しています。線維芽細胞は、真皮層においてコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を作り出す細胞です。加齢とともに、細胞の増殖速度が落ち、細胞から作り出される成分も少なくなってしまいます。温泉活性型イソフラボンは細胞の増殖を促進させ、細胞の物質生産を増加させることにより、シワ・たるみ改善効果が期待できます。

次に、イソフラボン化粧品原料と活性を比較しました。
[試験品イソフラボン濃度: 0.60, 1.8, 6.0μM(温泉活性型イソフラボン)、 0.92, 2.8, 9.2μM(イソフラボン原料比較品)]

横軸に試験に用いたサンプルのイソフラボンのモル濃度を、縦軸にコントロールを100としたときの細胞賦活率を示しました。温泉活性型イソフラボンは真皮線維芽細胞の増殖促進効果を示し、その効果は比較品のイソフラボン化粧品原料(不活性型イソフラボン含有)よりも高いことが分かりました。
 


9. ヒアルロン酸産生促進作用 -真皮線維芽細胞-

<試験方法>
線維芽細胞を24時間培養。その後、温泉活性型イソフラボン含有DMEMを加え48時間培養。ELISAでヒアルロン酸を定量
試験濃度: 13 μg/mL
 

<結果と考察>
上記において細胞増殖効果の見られた試験濃度でヒアルロン酸産生の比較試験を行いました。その結果、温泉活性型イソフラボンは線維芽細胞のヒアルロン酸産生量を増加させました。これは、他のイソフラボン化粧品原料(同じ固形分濃度)よりも高く、市販豆もやしエキスよりも高いものでした。真皮の線維芽細胞が作り出す高分子のヒアルロン酸は、肌の水分保持に関与し、肌にハリを与えてシワを防ぎます。
 


10. シワ改善 -ヒト試験-

二重盲検比較試験
左右半顔に検体を4週間、毎日朝晩洗顔後に塗布。試験前と4週間後に、目尻から採取したレプリカのシワを三次元解析
被験者:日本人女性10名、40~50歳(平均年齢46.3歳)
試験品:5%温泉活性型イソフラボン含有品、5%比較品
 
t-test (n=10), σ: standard deviation; †P<0.1, ♯P<0.05 (0から4w); *P<0.05  

<結果と考察>
4週間の連用塗布後、シワ関連パラメーターのうち面積率と本数において、温泉活性型イソフラボン塗布群では塗布前から有意な改善効果が見られました。また、各スコアにおける温泉活性型イソフラボン塗布による改善効果は、比較品(不活性型イソフラボン化粧品原料含有処方)よりも有意に高いことが示されました。図中には参考データとして無塗布(←)でのシワ変化を示しました(n=30, 平均年齢45.4歳)。無塗布では4週間の間に各スコアは上昇していますが、比較品塗布では抑制的に作用していると考えられます。

 
<結果と考察>
温泉活性型イソフラボン塗布により改善されたシワスコアを、当社独自の肌解析データと照合しました。肌解析データは、18歳から77歳までの女性322人から、様々な肌データを取得したものです。肌解析データのうち、レプリカ解析によるシワ面積と年齢との間には強い相関(R=0.860)がありました。この近似式に、温泉活性型イソフラボン塗布前後のシワ面積を当てはめると、4歳差のシワ面積に相当することが分かりました。つまり、温泉活性型イソフラボンはシワスコアにおいて4週間で4歳の若返り効果を示したと言えます。
 


11. 保湿・弾力 -ヒト試験-

二重盲検比較試験
左右半顔に検体を4週間、毎日朝晩洗顔後に塗布
試験前と4週間後に、角層水分量、経皮水分蒸散量、皮膚弾力性を測定
被験者:日本人女性10名、40~50歳(平均年齢46.3歳)
試験品:5%温泉活性型イソフラボン含有品、5%比較品、

<結果と考察>
4週間の連用塗布後、角層水分量において比較品との間で有意な改善効果の差が見られました。経皮水分蒸散量では、比較品よりも高い改善傾向が見られました。皮膚弾力性は比較品との間で有意な差は見られませんでしたが、温泉活性型イソフラボン塗布群において塗布前から塗布後にかけて有意な改善効果が見られました。

 
<結果と考察>
温泉活性型イソフラボン塗布により改善された肌弾力データを、当社独自の肌解析データと照合しました。肌解析データのうち、肌弾力(R7)と年齢との間には非常に強い負の相関(R=-0.945)がありました。この近似式に、温泉活性型イソフラボン塗布前後の肌弾力を当てはめると、9歳差の肌弾力に相当することが分かりました。つまり、温泉活性型イソフラボンは肌弾力(皮膚弾力性)において4週間で9歳の若返り効果を示したと言えます。
 


12. 保湿遺伝子発現促進作用 -表皮角化細胞-

<試験方法>
ヒト表皮角化細胞を24時間培養。その後、温泉活性型イソフラボン含有DMEMを加え48時間培養。
RNA抽出よびcDNA合成、cDNAを用いてRT-qPCR
試験濃度: 8.4, 28, 84 μg/mL

<遺伝子の特徴>
FLG(Filaggrin: フィラグリン)
ヒトが持つ保湿成分である天然保湿因子(Natural moisturizing factor:NMF)の元となるタンパク質。肌の代謝と共に分解されてアミノ酸となり、NMFとして角層水分を保持します。減少すると、肌のバリア機能や水分保持能が低下して乾燥の原因になります。
GBA(β-glucocerebrosidase: β-グルコセレブロシダーゼ)
セラミドの前駆体であるグルコシルセラミドからセラミド(セラミドEOPなど)を産生する酵素。表皮細胞で産生され、外的刺激から守るバリア機能を担っています。加齢などによりセラミドが減少すると乾燥の原因となります。
SMPD(Sphingomyelin phosphodiesterase: スフィンゴミエリナーゼ)
セラミドの前駆体の一つであるスフィンゴミエリンからセラミド(セラミドNS、セラミドASなど)を産生する酵素。表皮細胞で産生され、肌の水分保持を担っています。作り出されるセラミド量が増えることで肌のバリア機能や水分保持力が向上します。

<結果と考察>
ヒト表皮角化細胞において、温泉活性型イソフラボンは保湿に関わる重要遺伝子であるFLG、GBAおよびSMPDの発現量を促進させました。アミノ酸とセラミドはそれぞれ肌の3大保湿因子の一つです。セラミドは角層のラメラ構造を強固なものとし、バリア機能の維持に大きく関わります。女性ホルモンであるエストロゲンが減少すると、肌の水分量も減少して、肌が乾燥してしまいます。活性型イソフラボンが発揮する女性ホルモン様作用には、肌のうるおいを守る効果が期待できます。


13. 大豆由来原料の活性型イソフラボン量の比較

国産生大豆、市販豆もやし、温泉豆もやしから当社独自技術により原料を加工し、活性型イソフラボン量を比較しました。もやしは発芽により代謝活性が上昇するため、市販豆もやしであっても活性型イソフラボンを増加させることは可能です。しかし、温泉豆もやしではさらに活性型イソフラボンは多く、総イソフラボン量自体が多いことと、根の力による活性型産生能が高いことに起因します。

土壌中の特定成分が大豆のイソフラボン量を大きく変動させることが報告されており4)、ミネラルなどが豊富な温泉による栽培という特殊な生育環境がイソフラボン量を高めたものと推測されます。

4) Wójciak-Kosior M et al. Molecules. 21 90 (2016) The stimulatory effect of strontium ions on phytoestrogens content in Glycine max (L.) Merr.
 


14. 温泉活性型イソフラボンに含まれる有効成分① -アミノ酸-

タンパク質を豊富に含む大豆はアミノ酸量が少なく、発芽した豆もやしではアミノ酸が大きく増加しています。さらに、温泉活性型イソフラボンでは、温泉の力と独自技術により、市販の豆もやしよりも多くのアミノ酸が含まれていることが分かりました。AsnとGabaを除くの15種のアミノ酸は、肌のNMFアミノ酸の構成成分であり、その中でもセリンとアラニンはNMFアミノ酸の主要成分でもあります。アミノ酸にはNMF様保湿作用が期待できます。また、アルギニンやリシンには抗糖化作用による肌のくすみ改善効果も期待できます。
 


15. 温泉活性型イソフラボンに含まれる有効成分② -ホルモノネチン-

ダイゼインのメチルエーテルであるホルモノネチンは、レッドクローバー(アカツメクサ)に多く含まれることで知られる低極性の高浸透型のイソフラボンです(赤詰草の花イソフラボン)。乾燥生大豆、市販豆もやしと比較したところ、他のイソフラボンより量は少ないものの、温泉活性型イソフラボンにのみ検出されました。部位別分析データによると、温泉豆もやしの子葉部にはホルモノネチンはほとんど含まれず、根のみに含まれていることが分かりました。大豆のシュートにもホルモノネチンは含まれることが知られていますが4)、今回は根にのみ特異的に検出されたことから、成長日数や栽培環境の違いが関与していると推測されます。
 


16. 伝統の在来種、伝統の栽培法、幻の冬野菜、小野川の温泉豆もやし

◆温泉豆もやし
 ・温泉の熱を利用して冬に砂耕栽培され、巨大で根も発達
 ・播種前には温泉水をたっぷり吸水
 ・産地は山形県小野川温泉と青森県大鰐温泉の2箇所のみ
 ・全国生産者数が一桁まで減り、消えゆく食文化になりつつある

◆小野川温泉豆もやし生産者 鈴木巌さん
 ・日本在来の品種「もやし豆」を夏期に自家栽培して使用
 ・伝統農法・品種・わら室栽培にこだわっている唯一の生産者 
 ・夏期は大豆栽培と種子採取、冬期は温泉豆もやし栽培、という年間を通した伝統の生産体系
  
◆山形県米沢市
 ・小野川豆もやしを「米沢ブランド」に認定(http://www.city.yonezawa.yamagata.jp/2022.html)
 「米沢ブランド」とは:
  ・地域戦略事業で、名産品・地酒・歴史・文化などの観光資源を「米沢ブランド」と認定
  ・地域ブランドの向上、高付加価値、高収益商品の販売を促進
  ・来訪者増、協業の発生、企業立地推進、雇用拡大、定住人口増を期待

◆小野川温泉観光協議会(山形県米沢市小野川)
 ・小野川温泉で栽培される温泉豆もやしを地元で活用
 ・豪雪地帯で温泉客の足が遠のいてしまう冬期限定野菜としてPR
 ・1200年の歴史。小野小町に由来する美人湯
 ・肌の保湿によいとされるメタケイ酸含量は国内トップクラス
 

サティス製薬では、「人と地球をもっと綺麗に、ずっと綺麗に」をミッションに、植物を独特に活用した化粧品の製品開発を行っています。
 今回の化粧品原料開発により、小野川の豆もやしに新たな価値を付与することができました。今後、新原料『小野川温泉の活性型イソフラボン』を、OEM製造を通じて化粧品に配合していきます。これにより、女性ホルモン低下を一因とする肌悩みを解決できると期待しています。さらにこのような活動を通じて小野川温泉とその特産品である温泉豆もやしの魅力を発信し、温泉豆もやしの生産拡大と地域活性化に貢献していきたいとサティス製薬は考えています(SDGs目標9と12)。

 


17. 製品情報

原料情報
・山形県米沢市の小野川温泉の小野川豆もやしを使用
・表示名称:ダイズ芽エキス
・INCI名: Glycine Soja (Soybean) Sprout Extract
・中文名称:野大豆(GLYCINE SOJA)芽提取物  

安全性情報
・24時間閉塞パッチテスト:刺激性なし
・SIRC細胞を用いた眼刺激性試験:刺激性なし
・ROSアッセイによる光毒性試験:陰性


18. ふるさと元気プロジェクト(FGP)

FGPの目指す化粧品のバリューチェーン

地域農産品(一次産品)のもつ固有の価値(バリュー)に
  ①化粧品OEM会社の有する技術力
  ②化粧品販売メーカーの企画販売力
  ③消費者の評価
 などが加わることにより、一次産品の価値が連鎖的に高まります。
 消費者は、化粧品製品と産地に共感を覚え、
 産地への共感は、SNSによる拡散、一次産品の購買行動、観光など、地域振興へとつながります。
 化粧品により「小野川の温泉豆もやし」に付与された新しいバリューが、生産者にフィードバックされます。



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