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蓮の葉HOLYTECT

 
ふるさと元気プロジェクト
「泥より出でて泥に染まらず」
植物最強の自浄機構をもつ蓮の葉の力に着目
肌本来のストレス抵抗力を高めることで”痒み”を止める
敏感肌改善原料 ~ 蓮の葉HOLYTECT~2022.05.06

✔ 泥より出でてもなお清浄な姿から古来聖なるものの象徴である蓮
✔ 最強*の「天然の自浄機構」をもつ蓮の葉から特別な肌保護成分を抽出
✔ 外的ストレスが敏感肌において引き起こす痒み・損傷・炎症を抑制
✔ 同時に肌ダメージの根源「酸化ストレス」から肌細胞を保護&回復
✔ イッチ・スクラッチサイクルを断ち切り敏感肌を根本改善

*植物のなかで最も超はっ水性をもつ葉として


  目 次

  • 1. 期待される効果と有効性情報

  • 2. 敏感肌のかゆみトラブル

  • 3. 古より聖なる植物、清浄さの象徴「蓮」

  • 4. 蓮葉であれば2つの「生体酸化ストレスセンサー」を同時に制御

  • 5. 敏感肌改善効果1(イッチ・スクラッチサイクルの停止)

  • 6. 敏感肌改善効果2(酸化ストレスの抑制)

  • 7. 超敏感肌対象スティンギングテスト(臨床試験)

  • 8. シミ・くすみ改善

  • 9. 活性酸素消去能

  • 10. 蓮葉ヌシフェリンは皮膚角層の深くまで浸透

  • 11. 蓮葉アルカロイドは「自然の祝福」

  • 12. ポリューションとは?

  • 13. 肌に付着したポリューションはアトピー性皮膚炎を悪化させる

  • 14. 清流錦川に育まれる蓮 ~山口県岩国市~(ふるさと元気プロジェクト)

  • 15. 原料情報(SDGs)

  •  


    1. 期待される効果と有効性情報

    期待される効果

    敏感肌 シミ バリア(保湿)

    #イッチ・スクラッチサイクル #かゆみ #アンチポリューション

    有効性情報

    ■敏感肌・アンチポリューション
    抗掻痒(PM2.5刺激PAR2生成抑制)
    抗炎症(PM2.5刺激IL1A生成抑制)
    抗炎症(PM2.5刺激COX2生成抑制)
    抗炎症(NF-kB抑制 ※文献情報
    創傷治癒(スクラッチ表皮細胞遊走・増殖)
    酸化ストレス抑制:保護(PM2.5刺激細胞内ROS抑制)
    酸化ストレス抑制:回復(PM2.5刺激細胞内ROS抑制)
    酸化ストレス抑制(Nrf2活性化 ※文献情報
    超敏感肌スティンギングテスト(臨床試験)

    ■シミ・くすみ
    メラニン産生抑制(TYR生成抑制)
    メラニン産生抑制(MC1R生成抑制)
    微弱炎症抑制(EDN1生成抑制)
    微弱炎症抑制(SCF生成抑制)

    ■活性酸素消去
    抗酸化(DPPHラジカル)
    抗酸化(O2-ラジカル)
    抗酸化(OHラジカル)
    抗酸化(過酸化脂質)


    2. 敏感肌のかゆみトラブル

    2.1 拡大している敏感肌市場

    女性の多くが敏感肌を実感
    2000年代以降、敏感肌を意識する女性が急増しており、83%もの女性が自身の肌が敏感であると認識、との調査結果もあります(*1)。

    当社の独自調査(205名, 20~50代女性, 2020~2021年実施)でも、74%の女性が自分を敏感肌だと感じると答えています。

    コロナ禍におけるマスク着用・環境変化から、新たに敏感肌になったと感じている人は半数以上に達するとされています(*2)。

    敏感肌市場(*3)
    2019年に発生したコロナショックにより2020年の化粧品市場は15%減少しました。機能性化粧品市場(スキンケア、ベースメイク、ボディケア、ヘアケア)においては、アンチエイジングとホワイトニングともに10%以上減少していますが、敏感肌市場はコロナ禍でも2%減で留まっていました。

    一転して2021年(予測)は持ち直しの傾向が見られ、なかでも敏感肌市場が5.6%増と高い拡大傾向にあります。

    これは、ストレスやマスクの着用による肌トラブルを抱える消費者が増加したことで、敏感肌スキンケア商品へのニーズが拡大したことによるものと考えられます。

    カテゴリー 2020年 2021年*
    ホワイトニング  12.0%減  3.7%増
    アンチエイジング  10.4%減  3.5%増
    敏感肌   2.0%減  5.6%増

     *予測

    *1:2016年2月4日資生堂プレスリリース:「敏感肌と花粉に関する意識調査」 20~50代の女性2351名を対象
    *2:ニューノーマル時代における敏感肌と働く女性に関する調査 第一三共ヘルスケア PRTIMES 2020年9月24
    *3:機能性化粧品の国内市場を調査 富士経済プレスリリース 第21020号


    2.2 敏感肌とは?

    敏感肌とは?
    とくに決められた定義はありませんが、一般に以下の状態の肌とされています。

    肌の感受性が高まり、
    「季節や体調の変化で刺激を受けやすい」、「接触物による皮膚刺激や紅斑反応が生じやすい」

    原因
    ・日焼け、疲労、心理的ストレス、偏った食生活、間違ったスキンケア(洗いすぎ・保湿不足)などによるバリア機能の低下
    ・アトピー性皮膚炎
    ・バリア機能が低下した肌に外的環境ストレス(いわゆるポリューションなど)が侵襲し、その刺激が引き起こす痒み・炎症によりさらなるバリア破壊が生じる(改善・根治しにくい)

    症状
    ・乾燥しやすい、ヒリヒリ感、荒れやすい、かぶれやすい、痒い
    ・シワやシミといったいわゆる肌老化とは異なり、痒みを伴うことから気分の低下や肌の傷害にも
     ⇒イッチ・スクラッチサイクル

     敏感肌は文字通り外的環境ストレスに過敏に反応し、日々のQOLすら低下させてしまう重大な肌トラブル、につながる

     


    2.3 従来の敏感肌ケア

    従来は敏感肌の表面ケア
    従来の敏感肌対策(アンチポリューション)においては、シールド/ウォッシュによる表面対処ケアが中心で、付着を防ぐ・落とすためのソリューションが提案されてきました。

    しかし、表面ケアだけでは様々な因子で誘発される敏感肌を根本改善することはできません。表面ケア自体がかえって敏感肌を悪化させてしまう場合もあります。

    また、化粧品には刺激の少なさを求めるばかりで十分なケアができず、化粧品への満足度が低下してしまう、という課題もあります。
     

     
    肌本来のバリア機能を回復させるためには、痒みのシグナルを抑えて敏感肌の悪化を防ぐ、肌の内部ケアが重要となります。
     


    2.4 敏感肌対策の狙い①:最大の問題“イッチ・スクラッチサイクル”

     

    イッチ・スクラッチサイクル(Itch-Scratch-Cycle、Itch:痒み、Scratch:掻破)
     1)ポリューションなどの外的刺激がバリア機能の低下した肌を侵襲
     2)酸化炎症反応やアレルギー反応が痒みを引き起こす物質を放出
     3)痒みのシグナルが神経から脳に伝わり掻破行動へと移行
     4)掻破により損傷した細胞は炎症性メディエーターを放出
      (脱顆粒したマスト細胞からはヒスタミンやトリプターゼが分泌されて痒みに)
     5)炎症が惹起され皮膚炎は悪化し、さらに痒みが増加

     

     
    痒みの定義は「搔きたい衝動を引き起こす不快な皮膚感覚」。
    痒みによる掻破は、さらなる起痒物質の遊離を引き起こし、痒みを増加させます。この一連の悪循環により肌のバリア機能は崩壊し、さらに刺激に対して過敏に反応するようになります。

    この負のサイクルはアトピー性皮膚炎の重症化にも深く関与しています。

    敏感肌の原因はバリア機能の低下ですが、「敏感肌になってしまった」状態においては、痒みに起因してバリア破壊を引き起こす”イッチ・スクラッチサイクル”を断ち切ることが最大の課題であると考えています。
     

    本開発原料のターゲット①:肌の「痒み・表皮損傷・炎症」
    ✔ 敏感肌における負の連鎖「イッチ・スクラッチサイクル」を断ち切る

     


    2.5 敏感肌対策の狙い②:肌ダメージの根源“酸化ストレス”

    一概に外的ストレスといっても、肌へのダメージは以下のとおり様々であることが報告されています(*1)。
     
     
    sdg_icon_09_ja■ 外的環境ストレスの違いによって肌ダメージは異なる
    ・黄砂/花粉     ⇒ 酸化ストレスを介してアレルギー誘導
    ・排気ガス/都市粉塵 ⇒ 酸化ストレスに伴う炎症・バリア機能低下
    ・マスク(接触刺激) ⇒ 酸化ストレスに伴う接触皮膚炎
    *酸化ストレス    ⇒ 痒みを誘導
     ⇒肌ダメージいずれにおいても「酸化ストレス」が関与

    花粉や黄砂は痒み因子を活性化し、自動車排気ガスや都市大気粉塵は酸化ストレスとバリア機能の低下を誘導します。花粉も酸化ストレスを誘導してアレルギーを引き起こし(*2)、酸化ストレスそのものが痒みを誘導します(*3)。また、近年増えているマスク着用により生じる接触皮膚炎も、酸化ストレスに起因しています(*4,5)。

    つまり、敏感肌においては様々な外部刺激がイッチ・スクラッチサイクルを誘導しますが、その根本原因は酸化ストレスであるといえます。
     

    本開発原料のターゲット②:外的ストレスが誘導する肌の「酸化ストレス」
    ✔ 肌自身の酸化ストレス抵抗力を高めることで敏感肌を根本改善*

     *根本改善:敏感肌の原因はバリア機能の低下です。しかし、バリア機能がすでに低下した「敏感肌状態」では、イッチ・スクラッチサイクルを抑えてさらなるバリア破壊を防ぎ、肌の酸化ストレス抵抗力を高めることが、バリア機能改善につながります。


     

    *1: 大気有害物質は種類によって皮膚への影響が異なることを発見
      ロート製薬 研究開発リリース (2018)
    *2: Pollen-induced oxidative stress influences both innate and adaptive immune responses via altering dendritic cell functions
      A Csillag et al. J Immunol. 184 2377-85 (2010)
    *3: Oxidative stress induces itch via activation of transient receptor potential subtype ankyrin 1 in mice
      T Liu & Ru-R Ji. Neurosci Bull. 28 145-54 (2012)
    *4: Mask-induced contact dermatitis in handling COVID‐19 outbreak
      Z Xie et al. Contact Dermatitis. (2020)
    *5: Oxidative stress in allergic and irritant dermatitis: from basic research to clinical management
      K Nakai et al. Inflamm Allergy Drug Discov. 6 202-9 (2012)


     

    以上2点の狙いから研究開発を進めてきました。
    そして、
    環境ストレスと戦う植物のなかでも、最強*の「天然の自浄機構」をもつとされる植物が、「蓮(ハス)」です。

    *植物のなかで最も超はっ水性をもつ葉として: SS. Latthe et al. Molecules 19 (2014)
     
     


    3. 古より聖なる植物、清浄さの象徴である「蓮」

    3.1 神聖なる蓮は古より「清浄さ」の象徴

    『蓮は泥より出でて泥に染まらず』「愛蓮説」 儒学者・周敦頤(しゅうとんい)

    蓮の、泥から生え気高く咲く花、まっすぐに大きく広がり水を弾く凛とした葉の姿が、俗世の欲にまみれず清らかに生きることの象徴として称えられてきました。

    蓮の英語表記はSacred lotusであり、Sacred(神聖なる)が一般に冠されています。インド、スリランカ、ベトナムの国花でもあります。
     

    sdg_icon_09_ja
    <ヒンドゥー教> 図:ラクシュミー(蓮華に座す)
     古来インドでは、インダス文明の頃から蓮の花は聖なる花とされ、蓮は地母神信仰と結びつき神聖なるものの象徴とされていた。ヒンドゥー教の神話やヴェーダやプラーナ聖典などにおいては、特徴的なシンボルとして繰り返し登場する。
     多神教信仰から女神崇拝が生まれ、古代インドでは女性に対する4段階の格付けが生まれた。その最高位が「蓮女」で、その象徴として蓮華に座すラクシュミーという女神が崇拝された(美と富と豊穣と幸運)。

    sdg_icon_09_ja
    <仏教> 図:如来像(蓮華座)
     仏教では泥水の中から生じ清浄な美しい花を咲かせる蓮の姿が仏の智慧や慈悲の象徴とされ、様々に意匠されている。如来像の台座は蓮華をかたどった蓮華座であり、主に寺院では仏前に「常花」(じょうか)と呼ばれる金色の木製の蓮華が置かれている。
     また、死後に極楽浄土に往生し、同じ蓮花の上に生まれ変わって身を託すという思想があり、「一蓮托生」という言葉の語源になっている。
    (Wikipediaより引用)

    ✔ 泥より生じてもなお美しい花を咲かせる蓮の神々しさ
    ✔ 大きく広がり水を弾き汚れない葉の清浄さ
     ⇒蓮は「清浄さ」の象徴

     


    3.2 「泥中の蓮」:外と内から葉を守り、実際に「清浄さ」を維持

    写真:傷もなく清浄さを保つ蓮の立葉

    ①物理防御(超はっ水性)
    蓮葉といえばやはりロータス効果が有名で、バイオミメティクスとして多くの身近な製品にも活用されている。葉表面の微細突起構造により水滴が異物を絡めとり転がり落ちる。

    ②化学防御(二次代謝産物)
    蓮の葉は傷修復力が高く、「清浄さ」を維持。葉の内部には高い化学防御力があると考えられる。

    *1: Analysis of isoquinoline alkaloid composition and wound-induced variation in Nelumbo using HPLC-MS/MS
      X Deng et al. J Agric Food Chem. 64 1130-6 (2016)
    *2: Coregulation of biosynthetic genes and transcription factors for aporphine-type alkaloid production in wounded lotus provides insight into the biosynthetic pathway of nuciferine
      T Meelaph et al. ACS Omega. 3 8794−8802 (2018)
    *3: Antioxidative effect and active components from leaves of Lotus (Nelumbo nucifera)
      HY Lin et al. J Agric Food Chem. 57 6623-9 (2009)


     

    蓮の葉が「清浄さ」を維持する理由


    ・水中で根茎(れんこん)を張るため、葉からの酸素供給が命綱
    ・酸素吸入器でもある葉を清浄な状態に保つことが生存に必須

    1枚の葉全体から空気を取り入れ、水中に伸びる葉柄を通り、水中の地下茎に空気を送る。
    ⇒1枚の大きな葉に強い生命力が宿る


    3.3 蓮は古より強力な薬効をもつ植物として利用

    『蓮葉、よろづの草よりも優れてめでたし』(枕草子63段)
     現代語訳:蓮の葉というのは、他のあらゆる草よりも優れていて立派である

    蓮は、葉・花・根茎・実とすべてが食用になり、それぞれに薬効があります。蓮葉は、中国では数千年前から万病・不老長寿の薬として珍重され、現在でも漢方薬として、あるいは健康食品・一般野菜として用いられています。肉・魚・果物・野菜・飯などを包むのにも広く利用されており、防腐力も高いとされています。
     

      蓮の葉茶               蓮実チャーハン蓮葉包み(ベトナム王室料理)  蓮葉ちまき(香港飲茶)

     
    ■蓮葉は中国最古の薬物書『神農本草経』に中薬として収載
     ※中薬:病気を予防し、虚弱な身体を強くする
     
    ■蓮葉のペーストは発熱や皮膚炎のアーユルヴェーダ自然療法に使用

    ■日本では清熱解暑として熱・ほてりを冷ましたり、各所の出血防止に使用
     象鼻杯(蓮葉を酒杯に仕立て、葉柄をじょうろの様にして飲む)は現代でも催される季節行事で、不老長寿や暑気払いの効果があるとされる。実際、葉の成分が酒に溶け込み清涼感を与えていることから、蓮葉の有効成分を知らずに摂取していることにも。

    蓮葉の薬効に関する古よりの伝統的な知識は、現代の多くの科学的調査によって実証されています。

    蓮葉の多彩な薬効例:
     抗酸化、抗炎症、抗菌、アトピー性皮膚炎、止血、解熱、内臓機能強化、免疫調節、糖尿病、高脂血症、動脈硬化、高血圧など

    * Natural Medicines: Clinical efficacy, safety and quality. D Ghosh PK Mukherjee (2019)

    ✔ 蓮葉は多彩な効能を発揮する薬効成分の宝庫
    ✔ 蓮葉の薬効成分はすなわち自身のストレス耐性物質(二次代謝産物)
     ⇒蓮葉の「清浄さ」の秘密は葉の薬効成分にあり?

     


    3.4 蓮葉の2大防御成分 -ヌシフェリンとケルセチンGA-

    ヌシフェリン
    蓮葉(生薬名:荷葉)にはヌシフェリンの他、ロエメリン、アノナイン、アルメパビンなど少なくとも8種以上のアルカロイドが含まれています(自社分析)。

    アルカロイドの存在部位としては、日ごろ食しているれんこん(根茎)にはほとんど含まれず、葉と胚芽に多く含まれることが分かります(上左図*1)。葉と葉柄の主成分は蓮の学名にも由来するヌシフェリン(アポフィリン型)で、胚芽にはベンジルイソキノリン型であるネフェリンが多いとされています。

    胚芽は中医薬4千年の歴史のなかで、「神農本草経」の上薬として収載されています。蓮葉はその胚芽に匹敵するほどのアルカロイドを含みます。

    蓮のアルカロイドには、自身の細胞の保護・修復効果があることが知られています(*1,2)。

    ケルセチンGA
    蓮葉のもう一つの有用成分としてケルセチンGA(ケルセチン 3-グルクロニド)があり(*3)、花や葉柄よりも豊富に含まれています(自社分析)。ケルセチンはカテコール構造をもつ強力な抗酸化成分(活性酸素消去剤)です。そのグルクロン酸誘導体は、人の小腸における解毒代謝産物と同一の成分でもあり、人体に対して有効(*4)かつ安全性の高い構造と考えられています。

    ケルセチンといえば配糖体のルチンが有名で、ルチンを大量に含む植物として韃靼そばの種子が知られています。当社分析によると、蓮葉のケルセチンGAは韃靼そば(ルチン)の3.4倍含まれていることが分かりました。蓮は安定的かつ大量に葉にケルセチンを蓄積するために、水溶性の高いグルクロン酸誘導体を作り出していると推測されます。

    なお、いくつかの細胞試験において、ヌシフェリンとケルセチンGA、あるいは蓮葉エキスには細胞毒性は見られないことが確認されています(*5,6)。蓮葉のアルカロイドは、自然界では珍しい有用かつ安全なアルカロイドです(以下11項「蓮葉アルカロイドは自然の祝福」参照)。

    蓮由来の化粧品原料としては、見た目も美しい「蓮の花」が人気ですが、実は「蓮の葉」がすごいのです。

    *1: Analysis of isoquinoline alkaloid composition and wound-induced variation in nelumbo using HPLC-MS/MS
      D Xianbao et al. J Agric Food Chem. 64 5 (2016)
    *2: Coregulation of biosynthetic genes and transcription factors for aporphine-type alkaloid production in wounded lotus provides insight into the biosynthetic pathway of nuciferine
      T Meelaph et al. ACS Omega. 3 8794-8802 (2018)
    *3: Antioxidative effect and active components from leaves of Lotus ( Nelumbo nucifera )
      HY Lin et al. J Agric Food Chem. 57 6623-9 (2009)
    *4: Pharmacology in health food: metabolism of quercetin in vivo and its protective effect against arteriosclerosis
      K Ishizawa et al. J Pharmacol Sci. 115 466-470 (2011)
    *5: Nelumbo nucifera leaves extract attenuate the pathological progression of diabetic nephropathy in high-fat diet-fed and streptozotocin-induced diabetic rats
      HW Chen et al. J Food Drug Analysis. 27 736-748 (2019)
    *6: Nuciferine inhibits proinflammatory cytokines via the PPARs in LPS-induced RAW264.7 cells
      C Zhang et al. Molecules. 23 2723 (2018)

    植物は活性酸素を作り出して環境ストレスと戦う
    動くことのできない植物は自身の生育環境で様々な外的ストレスに曝され続けます。この環境ストレスには、虫・微生物・ウイルスなどの生物ストレスと、太陽光、気温、乾燥、塩害、大気汚染などの非生物ストレスがあります。

    植物は細胞への侵入者に対して抑制的に作用する、一連の防御システムをもちます。その一つがスーパーオキシドアニオンなどの活性酸素種(ROS)の生成です。この活性酸素が過剰に発生した状態は酸化バーストといわれ、自己の細胞死を伴う強力な抵抗反応です。活性酸素は植物防衛における重要なシグナル分子にもなっています。

    植物における酸化と抗酸化
    そこで植物には、酸化バーストにより生じる活性酸素に対して、発生時間を短縮したり、毒性を軽減したりするメカニズムが備わっています(*1)。 毒性軽減は、植物中に存在する抗酸化剤あるいは抗酸化酵素によるもので、活性酸素を中和することによるものです。

    抗酸化レベルが低ければ、発生した活性酸素は外敵防御に多く利用されるため、病原体などに対して植物の耐性が高まります。逆に抗酸化レベルが高すぎると、外敵を封じ込むという酸化バースト本来の役割が損なわれ、外敵に対しての耐性が低くなってしまいます。

    蓮葉は2大防御成分により「清浄さ」を維持
    多くの葉をもつ植物であれば、仮に一部の葉が枯死してしまったとしても、全体への影響は少ないと言えます。しかし、大きな葉を数枚しか展開しない蓮にとっては、1枚の葉の枯死が植物全体に被害を与えてしまいます。

    外敵の侵入を防ぐこと、酸化バーストによる自身の細胞死を防ぐこと、この2つのバランスの維持に、蓮ならではの防御成分が関与していると考えられます。

    ①防御成分ヌシフェリン(非抗酸化系)がストレス因子の侵入を防ぎ傷の治癒を促進
    ②防御成分ケルセチンGA(抗酸化系)が酸化バーストで生じる過剰な活性酸素を消去

    これにより、蓮葉は「清浄さ」*を維持していると考えられます。
    *超はっ水性以外の性質として

    * ROS and oxidative burst: Roots in plant development. A Choudhary et al. Plant Divers. 42 33–43 (2020)
    * 植物と病害虫との戦い:活性酸素戦略 (1) 満井喬 植物防疫 52 1 (1998)

    「蓮の葉HOLYTECT」は、
    聖なる(HOLY)蓮葉の力を引き出すことで肌を守る(PROTECT)化粧品原料です。

     


    4. 蓮葉であれば2つの「生体酸化ストレスセンサー」を同時に制御

    4.1 酸化ストレスを「抑制・促進」:肌の2つのマスターレギュレーター

    肌にも外的ストレス(ポリューションなど)に対する防御機構が備わっています。

    外的ストレスが誘導する刺激に対して肌は2つの酸化ストレスセンサーで対応
     ✔ 抗酸化マスターレギュレーター Nrf2:酸化と炎症を抑制
     ✔ 炎症マスターレギュレーター NF-kB:酸化と炎症を促進

     
    肌に備わる2大「酸化ストレスセンサー」
    植物は高度な抗酸化システムを構築していますが、人の肌にも酸化ストレスセンサーが搭載されています。

    一つは、生体防御の抗酸化マスターレギュレーターとして注目されているNrf2(ナーフツー)です(Nrf2-ARE経路)。Nrf2は250以上の生体防御因子の調節を司るともいわれ、酸化ストレスを感知すると核内に移行して抗酸化遺伝子群の発現を誘導し、酸化と炎症を抑制します。

    二つ目は、免疫・炎症シグナルのマスター転写因子であるNF-kB(エヌエフ・カッパービー)です。炎症メッセンジャーともいわれ、酸化ストレスを感知すると核内に移行し、炎症性サイトカインの産生を誘導し、酸化と炎症を促進させます。

    外的ストレスが誘導する酸化・炎症ストレスに対して、Nrf2は抑制的に、NF-kBは促進的に作用します。
     


    4.2 2つの蓮葉防御成分は生体の2つの酸化ストレスセンサーにそれぞれ作用

    実は蓮葉のもつ2大防御成分が生体に備わる2大酸化ストレスセンサーを制御することが知られています。
     

     
    ①蓮葉防御成分ヌシフェリンが細胞のNrf2を活性化(*1)
    ②蓮葉防御成分ケルセチンGAが細胞のNF-kBを抑制(*2)

    蓮葉であれば、「肌の酸化・炎症シグナリングを制御して、外的ストレスが惹起する痒み・細胞損傷・炎症を抑制する」、ことが期待できます。

     

    *1: Nuciferine alleviates acute alcohol-induced liver injury in mice: Roles of suppressing hepatic oxidative stress and inflammation via modulating miR-144/Nrf2/HO-1 cascade
      G Shu et al. J Funct Foods. 58 105-113 (2019)
    *2: Lotus leaf (Nelumbo nucifera) and its active constituents prevent inflammatory responses in macrophages via JNK/NF-kB signaling pathway
      SH Liu et al. Am J Chin Med. 42 869-89 (2014)


    5. 敏感肌改善効果1(イッチ・スクラッチサイクルの停止)

    5.1 PM2.5はケラチノサイトの細胞内酸化ストレスレベルを上昇させる

    外的環境ストレスとしてPM2.5を選定した理由
    ・粒子サイズが非常に小さく(毛穴より小さい)、有害な化学物質も含むことから肌への影響が大きい
    ・肌に豊富に発現する異物センサー(AhR)に作用して酸化ストレス・炎症を発生させ各種肌トラブルを誘発
    ・大気中PM2.5濃度と痒みとの間に関連性がある(*1)

     
    これらのことから、肌細胞に炎症・酸化ストレスを引き起こすPM2.5を用いることで、敏感肌を再現して評価試験を実施しました。

    *1: Association of particulate matter air pollution and itch: A digital epidemiology approach
      KA Whang et al. J Am Acad Dermatol. 81 6 (2019)


     

    健常な細胞でも呼吸と共に常に活性酸素(ROS)は発生しています。一方、50μg/mLの濃度のPM2.5の添加は、無添加に対して時間依存的に細胞内ROS生成を増加させ、培養時間120分で最大171%まで細胞内ROSの生成を促進させました。

    本試験に使用した環境汚染物質:
    都市大気粉塵 (NIES CRM No. 28 (urban aerosols)) は、北京市中心部のビルの換気フィルターに捕集された大気粉塵を32μmのふるいにかけた後に均質化したものであり、対象元素30元素中24元素に保証値が与えられている (NIES, 2008)。粒子径2.0µmにピークトップを有する粒度分布をもつため(*2)、本資料ではPM2.5と表記している。
    *2: 革新的研究開発推進プログラム,平成27年度委託研究開発実施状況報告書,大気中からの物質捕捉・濃縮の研究開発

     


    5.2 PM2.5が誘導する“痒み因子”PAR2発現の抑制(イッチ・スクラッチサイクルの停止①)

    痒み因子PAR2とは?
    ・外的ストレス(花粉・ダニ・PM2.5など)が肌のPAR2を活性化し、痒みに(*1,2)
    ・内的ストレス(マスト細胞が分泌するトリプターゼ)がPAR2を活性化し、痒みに(*3)
    ・アトピー性皮膚炎ではPAR2が活性化することで、痒みに(*4)

     
    <試験方法>
    ヒト表皮角化細胞を24時間培養。その後、蓮葉HOLYTECT含有DMEMを加え48時間培養。その後、RNA抽出およびcDNA合成。cDNAを用いてRT-qPCR。試験濃度: 14 μg/mL *P<0.05

     

     
    <結果と考察>
    ケラチノサイトへPM2.5を添加して培養すると、プロテアーゼ活性化受容体(PAR2)の発現がPM2.5無添加に対して31%増加しました。一方、”蓮の葉HOLYTECT”を添加した細胞では、PM2.5で促進されたPAR2発現量が42%有意に抑制されていました。

    そこで、抗炎症剤であるグリチルリチン酸ジカリウム(GK2)と比較するために同一濃度で再度試験を行いました(n=2, 2.8 μg/mL)。その結果、PM2.5により惹起されるPAR2発現に対する抑制効果は、GK2が20%であったのに対し、蓮の葉HOLYTECTは70%の活性を示しました(下図)。
     

     
    PAR2は皮膚の中でも角化細胞や一次感覚神経に発現しています。炎症によりマスト細胞から放出されるトリプターゼが生理的リガンドで、PAR2により痒みのシグナルが伝達されます(*3)。

    花粉やダニ抗原などの天然由来ポリューションの場合、そこに含まれるプロテアーゼが皮膚のPAR2を活性化し、その結果Th2型炎症が誘導されます(*1)。今回用いた非天然ポリューションであるPM2.5についても、PAR2の活性化が生じます。このことは、表皮細胞が大気汚染物質に応答するためにはPAR2が必要であることを示唆しています。実際の皮膚では、PM2.5がIgEを増加させ、それがマスト細胞の脱顆粒を促進させる、といったメカニズムも考えられます(*5)この場合、活性化したPAR2がTRPチャネルを活性化し、細胞へのCa2+流入が誘導されることにより(*3)、痒みが引き起こされると考えられます(*4)。

    PAR2はヒスタミン非依存性の痒み因子として、アトピー性皮膚炎の痒みとの関係が明らかにされています(*6)。またPAR2は、NF-kB活性化を通して酸化ストレスと炎症を誘導することから、ROS誘導炎症/肌老化の上流に位置する調節因子でもあります(*7)。

    *1: 皮膚のかゆみのメカニズム
      江川形平 アレルギー 69 256-259 (2020)
    *2: Phellodendron amurense extract protects human keratinocytes from PM2.5-induced inflammation via PAR-2 signaling
      J Choi et al. Biomolecules 11 (2021)
    *3: Proteinase-activated receptor-2 in human skin: tissue distribution and activation of keratinocytes by mast cell tryptase
      M Steinhoff M et al. Exp Dermatol. 8 282-94 (1999)
    *4: Proteinase-activated receptor-2 mediates Itch: A novel pathway for pruritus in human skin.
      M Steinhoff et al. J Neurosci. 23 6176-6180 (2003)
    *5: Fine particulate matter (PM2.5) promotes IgE-mediated mast cell activation through ROS/Gadd45b/JNK axis
      Y Wang et al. J Dermatol Sci. 102 47-57 (2021)
    *6: PAR2 mediates itch via TRPV3 signaling in keratinocytes
      J Zhao et al. J Invest Dermatol. 140 1524-1532 (2020)
    *7: Protease-activated receptor 2 induces ROS-mediated inflammation through Akt-mediated NF-κB and FoxO6 modulation during skin photoaging
      EJ Bang et al. Redox Biol. 44 (2021)


    5.3 ”創傷”治癒促進効果:細胞スクラッチアッセイ(イッチ・スクラッチサイクルの停止②)

    <スクラッチアッセイ>
    2次元での細胞遊走を経時的に定量化するもので、最も一般的に使用されるin vitro創傷治癒アッセイのひとつです(*1)。細胞を単層でコンフルエンシーまで成長させ、ピペットチップで引っかき傷を付けて切開のようなギャップを作ります。傷ついた領域は、傷ついた直後と、その後一定時間画像撮影され、細胞遊走が定量化され、引っかき傷領域の閉鎖の平均割合として表されます。細胞遊走は損傷した組織の回復や再生に重要な性質です。
     

    <結果と考察>※本試験はPM2.5無添加
    表皮細胞をスクラッチ処理し、そこに“蓮の葉HOLYTECT”添加を添加すると、72時間経過した時点でコントロール群よりも細胞修復率が1.5倍促進しました。

    本原料のキー成分であるヌシフェリンはNrf2活性化因子です。Nrf2の機能としては細胞保護作用がよく知られるところですが、実は創傷治癒効果も期待できます(*2)。

    創傷は細胞から大量のROSを生成させます。生成したROSは侵入してくる病原体と戦い、免疫細胞を引き付け、さまざまな細胞シグナル伝達イベントを調節します。そのため、創傷治癒過程においては抗酸化マスター転写因子であるNrf2が重要な役割を担っています。Nrf2発現は、創傷後早期にROS産生とともに増加し、その後創傷治癒が進むにつれて徐々に減少します。また、Nrf2は組織の損傷後に活性化され、他の転写因子と相乗的に作用して傷修復を促進させると考えられています。

    創傷時の細胞シグナルイベントにはATPも大きく関わっています。皮膚の掻破により組織が損傷し、細胞内部のATPは細胞外へと放出されます。細胞外ATP刺激によりマスト細胞が活性化し、ヒスタミンやプロテアーゼなどと共に、IL-1やTNFなどのサイトカインが放出されることで炎症反応が惹起されます。このようにして、イッチ・スクラッチサイクルは回り始めます。

    *1: Skin Tissue Models Pages 223-253 (2018)
      10 – Preclinical models for wound-healing studies ; 2.1.1 In vitro wound scratch assay
    *2: Regulation of wound healing by the Nrf2 transcription factor-More than cytoprotection
      P Hiebert & S Werner. Int J Mol Sci. 20 16 (2019)


    5.4 PM2.5が誘導する”炎症因子”発現の抑制(イッチ・スクラッチサイクルの停止③)

    <試験方法>
    ヒト表皮角化細胞を72時間培養。PM2.5溶液を添加し30分曝露後、蓮葉HOLYTECT含有DMEMを加え6時間培養。RNA抽出よびcDNA合成。cDNAを用いてRT-qPCR。試験濃度: 3, 14, 28 μg/mL †P<0.1, *P<0.05, **P<0.01, ***P<0.001

     

    <遺伝子の特徴>
    IL1α(Interleukin-1α: インターロイキン-1α)
    紫外線や環境汚染物質などの環境ストレスにより生じたROSは皮膚細胞からIL1αという炎症性サイトカイン産生を引き起こします。IL1αは炎症イニシエーターとしての強い作用をもち、炎症の細胞内スイッチである転写因子NF-kBを活性化して、各種炎症性サイトカインの産生を促します。
    COX2(Cyclooxygenase-2: シクロオキシゲナーゼ-2)
    炎症性エイコサノイドであるプロスタグランジンE2(Prostaglandin E2:PGE2)を産生する酵素。PGE2はEP3受容体を介して皮膚マスト細胞を活性化させ、ヒスタミン放出を介して炎症を惹起します。PGE2は強い血管拡張作用(血管透過性亢進)をもち赤斑(紫外線暴露後の皮膚の赤味など)の原因物質でもあります。

    <結果と考察>
    皮膚の炎症性バイオマーカーとしてIL1αとCOX2を選定し、PM2.5添加時の”蓮の葉HOLYTECT”の発現抑制効果を評価しました。その結果、PM2.5を添加した細胞における両遺伝子の発現は、”蓮の葉HOLYTECT”添加により顕著に抑制されることが示されました。

    表皮サイトカインであるIL1aは、皮膚ホメオスタシスの正常化に重要な役割を担っています(コラーゲン合成、メラノジェネシス、皮膚バリア機能など)。しかし、外部ストレス、あるいは掻破によりバーストした細胞により過剰生産されたIL1aは、皮膚の痒みや炎症のマスターメディエーターとして認識されています。COX2はアラキドン酸からプロスタグランジンE2(PGE2)を産生する酵素で、PGE2は皮膚の炎症シグナリングに関わっています。

    酸化や炎症に関わるバイオマーカーは様々な外的ストレス(ポリューションなど)により誘導されることが報告されています(*)。なかでもIL1aとPGE2(COX2代謝産物)は代表的なマーカーです。皮膚へのPM曝露はROSの過剰産生を誘導します。ROSはNF-kBを活性化して炎症促進性サイトカインであるIL1a、TNFa、IL6、IL8などの産生を促進させます。これにより、炎症性皮膚疾患、皮膚老化、皮膚がんなどが誘発されます。”蓮の葉HOLYTECT”は、皮膚の抗酸化酵素の産生を活性化してROSの過剰産生を抑制し、その結果NF-kB活性化が抑制され、炎症性サイトカインの産生が抑制されるものと考えられます。
    発現抑制率:IL1a (33%, 72%, 77%), COX2 (47%, 53%, 61%)

    *: Antipollution skin protection – a new paradigm and its demonstration on two active compounds
      M Portugal-Cohen et al. Clin Cosmet Investig Dermatol. 10 185–193 (2017)


    5.5 ”蓮の葉HOLYTECT”はイッチ・スクラッチサイクルを断ち切る(まとめ)

     

     

    ①PM2.5が発現増強させる痒み因子PAR2を抑制
    ②表皮細胞の傷修復促進
    ③PM2.5発現誘導の炎症因子IL1α/COX2を抑制

     
    痒みの抑制は掻破行動を回避させ、表皮損傷を未然に防ぐ。
    炎症発生も抑えることで皮膚炎の悪化を防ぎ、さらなる痒み因子の発生を防ぐ。
    この3つの作用で、“蓮の葉HOLYTCET”は敏感肌における負の連鎖「イッチ・スクラッチサイクル」を断ち切る。
     


    6. 敏感肌改善効果②(酸化ストレスの抑制)

    6.1 細胞内酸化ストレス抑制作用 ~保護効果~

     試験濃度: 2.8, 14, 28 μg/mL ***P<0.001 (vs PM2.5添加コントロール)


    6.2 細胞内酸化ストレス抑制作用 ~回復効果~

     試験濃度: 2.8, 14, 28 μg/mL ***P<0.001 (vs PM2.5添加コントロール)

    ”蓮の葉HOLYTECT”をPM2.5添加よりも前と後にそれぞれ添加したところ、PM2.5が上昇させる酸化ストレスレベルに対して、保護効果(上昇させない抑制効果)と回復効果(上昇したレベルを下げる効果)が示されました。

    またその効果は、保護効果で16時間、回復効果で14時間持続していました。

    敏感肌ケアにおいては、①酸化・炎症を起こさせない、②起きてしまった酸化・炎症を平時に戻す、③それらの効果が持続する、ことは重要な性能です。
     


    6.3 ”蓮の葉HOLYTECT”は酸化ストレスを抑制する(敏感肌根本ケア)

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    様々な外的ストレスで生じる肌トラブルの諸症状
         ⇓
    酸化ストレス」を抑えることで肌トラブルを根本改善*
     ✔ 蓮葉防御成分によるNrf2活性化/NF-kB抑制(文献情報)
     ✔ PM2.5が惹起する酸化ストレスから細胞を「持続的に保護・回復
     ✔ イッチ・スクラッチサイクルにおける保護・回復効果にも期待

    *根本改善:従来はシールド・ウォッシュといった敏感肌の表面対処ケア。一方、本原料は「酸化ストレス⇒炎症⇒バリア破壊⇒肌感受性亢進⇒イッチ・スクラッチサイクル」の一連を抑制する敏感肌の根本改善

     


    7. 超敏感肌対象スティンギングテスト(臨床試験)

     
    乳酸による皮膚感覚刺激に対して”蓮の葉HOLYTECT”は保護効果を示しました。


    8. シミ・くすみ改善

    8.1 メラニン抑制(メラノーマ細胞)

    <試験方法>
    B16メラノーマ細胞を24時間培養。”蓮の葉HOLYTECT”含有DMEMを加え48時間培養後、RNA抽出よびcDNA合成。cDNAを用いてRT-qPCR。試験濃度:2.8, 14, 28 μg/mL *P<0.05, **P<0.01, ***P<0.001

     

    <遺伝子の特徴>
    TYR(Tyrosinase: チロシナーゼ)
    メラニン産生に必須の酵素。紫外線などの影響で活性化し、色素細胞中でチロシンというアミノ酸から段階を経てメラニンになる際に作用します。シミなど色素沈着のある肌で活性化しています。
    MC1R(Melanocortin 1 receptor: メラノコルチン1受容体)
    色素細胞刺激ホルモンであるαMSH(α-Melanocyte-stimulating hormone: α-メラノサイト刺激ホルモン)の受容体。紫外線などの刺激により表皮細胞から過剰にαMSHが分泌され、色素細胞表面にあるMc1rと結合することでメラニン産生が誘導されます。メラニン産生が過剰に誘導されるとシミの原因となります。

    <結果と考察>
    ”蓮の葉HOLYTECT”はB16メラノーマ細胞のTYRとMC1Rの発現を有意に抑制しました。チロシナーゼはメラニン合成の律速酵素です。また、メラニン産生刺激ホルモンのレセプターの発現を抑制することで、メラニン産生を抑制します。蓮の葉にはメラニン産生抑制作用があることが報告されています(*1)。
    発現抑制率:TYR (39, 42, 32%), MC1R (27, 22, 17%)

    *1: Alkaloid constituents from flower buds and leaves of sacred lotus (Nelumbo nucifera, Nymphaeaceae) with melanogenesis inhibitory activity in B16 melanoma cells
      S Nakamura et al. Bioorg Med Chem. 21 779-787 (2013)


    8.2 微弱炎症抑制(表皮角化細胞)

    <試験方法>
    ヒト表皮角化細胞を24時間培養。その後、”蓮の葉HOLYTECT”含有DMEMを加え48時間培養、RNA抽出よびcDNA合成。cDNAを用いてRT-qPCR。
    試験濃度: 2.8, 14, 28 μg/mL *P<0.05, **P<0.01, ***P<0.001

    <遺伝子の特徴>
    EDN1(Endothelin-1: エンドセリン-1)
    表皮細胞から産生されるサイトカインの1つ。紫外線などの影響により表皮細胞で作り出されたエンドセリン-1は色素細胞を刺激し、色素細胞内のチロシナーゼを活性化させメラニン産生を促進します。
    SCF(Stem cell factor: 幹細胞増殖因子)
    紫外線などの刺激により表皮細胞から産生され、メラノサイトを活性化させる因子。SCFの刺激を受けた色素細胞はメラニンを合成します。過剰に作り出されるとシミの原因となります。

    以上の結果から、”蓮の葉HOLYTECT”はメラノソームのメラニン産生関連遺伝子とケラチノサイトの炎症関連遺伝子の発現を抑制することで、シミの発生を抑える効果が期待できます。

    EDN1はヒスタミン遊離を介すことなく皮膚に痒みを生じさせる「起痒物質」としても知られています(*1)。EDN1発現を抑制することは、痒み抑制にも貢献します。
    発現抑制率:EDN1 (80%, 82%, 81%), SCF (13%, 15%, 11%)

    *1: The neurogenic vasodilator response to endothelin-1: a study in human skin in vivo
      R Katugampola et al. Exp Physiol. 85 839-846 (2000)


    9. 活性酸素消去能

    <試験方法>
    ・過酸化脂質生成抑制試験:リノール酸が酸化してできる共役ジエンを測定
    ・スーパーオキシド消去試験:キサンチン/キサンチンオキシダーゼ系により生じるO2-を測定
    ・OHラジカル生成抑制試験:過酸化水素のフェントン反応により生じるOHラジカルを測定
    ・DPPHラジカル消去試験:DPPHラジカルの消去能を測定
     試験濃度:図中に表記(μg/mL)

     

    <結果と考察>
    ”蓮の葉HOLYTECT”は過酸化脂質生成、スーパーオキシド生成、OHラジカル生成、およびDPPHラジカルをそれぞれ濃度依存的に抑制・消去しました。過酸化脂質抑制作用においては、”蓮の葉HOLYTECT”(3μg/mL)は陽性対照の没食子酸試薬(12.5 μg/mL)の1/4以下の濃度で同程度の活性を示しました。スーパーオキシド消去作用においても、”蓮の葉HOLYTECT”はアスコルビン酸Na(VCNa)よりも高い消去活性を示しました。アルカロイドなどの非抗酸化成分も含む本エキス原料が純粋な抗酸化剤よりも高い活性を示したのは、本原料に豊富に含まれるケルセチンGAの強い活性によるものと推測されます。

    環境ストレスなどにより生体内で過剰に発生した活性酸素は、細胞膜の不飽和脂肪酸を酸化させ、過酸化脂質を作り出します。過酸化脂質は細胞を損傷させたり、老化色素リポフスチンを作りだして肌色を悪くしてしまいます。皮脂の酸化はニキビの悪化にもつながります。”蓮の葉HOLYTECT”が活性酸素種や過酸化脂質の生成を抑えることで、肌の老化や色素沈着を防ぐことが期待できます。

    過酸化脂質抑制率 (44%, 50%, 61%);スーパーオキシド消去率 (14%, 20%, 30%);OHラジカル消去率(34%, 64%, 71%);DPPHラジカル消去率(39%, 65%, 75%)

     


    10. 蓮葉ヌシフェリンは皮膚角層の深くまで浸透

    希少な自然の祝福(以下11項で説明)として高い安全性をもちながらアルカロイドとしての高い生物活性の期待できる蓮葉ヌシフェリン。皮膚浸透試験において、一般的に最も多く浸透成分が検出される角層表層に対して、ヌシフェリンの浸透率は浅層部では166%と増加しており、さらに角層深部でも97%と表層と同程度浸透していることが示されました。

    ヌシフェリンは極めて皮膚浸透性の高い成分であることが示されました。
     


    11. 蓮葉アルカロイドは「自然の祝福」

     
    アルカロイドは窒素原子を含む天然由来の有機化合物の総称で、微生物、真菌、植物、両生類などの動物を含む非常に様々な生物によって生産されます。

    植物にとっては一般に抗昆虫活性の役割をもちますが、pHやUVなどの非生物ストレスによっても誘導されます。生理活性(生物活性)が極めて強く、多くのアルカロイドは他の生物に対して有毒となります。

    一方、人に利用されているアルカロイド成分もあり、コーヒーのカフェイン、トウガラシのカプサイシン、コショウのピペリンなどが有名です。これらの有用アルカロイドも覚醒作用や発汗作用などの明確な生物活性を示しますが、体の新陳代謝を促し、多幸感も得られるとして積極的に摂取されています。

    これらのことから、アルカロイドには「自然の祝福と呪い」の両方が存在すると言われます。

    前述のとおり、蓮葉にもヌシフェリンなど複数のアルカロイドが高濃度で含まれています。

    蓮(Nelumbo nucifera)は、3000年以上にわたって極東アジアで作物として栽培されています。そこでは食品や医薬品に使用され、宗教的および文化的活動においても重要な役割を果たしてきました(*1)。蓮のすべての部分が野菜として食べられ、世界中で、特に東南アジア、ロシア、そしてアフリカのいくつかの国で消費されています。中国では4万ヘクタール以上も栽培され、薬草として使用されています。日本でも1000年以上にわたって栽培されています。蓮茶としても飲まれていますが、他のアルカロイドのような毒性・副作用は知られていません。

    蓮葉のヌシフェリンは自然界のアルカロイドグループの中でも極めて希少な「自然の祝福」です。

    *1: The sacred lotus (Nelumbo nucifera) – Phytochemical and therapeutic profile
      PK Mukherjee. J Pharm Pharmacol. 61 407-22 (2009)


    12. ポリューションとは?

    ポリューションとは?
    ポリューションとしては主にPM2.5、黄砂、花粉が挙げられます。ポリューションは地域や国を越えて空気中を飛散し、肌に悪影響を与えます。

    PM2.5は大きさが2.5μm(髪の毛の太さの1/30程度)以下の粒子状物質(Particulate Matter)の略語で、窒素酸化物や硫黄酸化物、揮発性有機化合物などを成分とする人為的な大気汚染物質の代表的なものです。工場、車の排ガス、タバコの煙、といった燃焼系による発生に加えて、紫外線暴露によって強い刺激物質(光化学オキシダント)に変化する場合もあります。呼吸器・循環器への影響が大きいとされています。PM2.5は様々な化学物質を含むことから、肌への影響も様々です。

    アメリカの研究でPM2.5濃度と死亡者数との間に高い相関関係が示されたことから、日本でも2000年頃から調査が始まり、2009年に大気環境基準値が設定されました。

    花粉(直径30~40μm程度の粗大粒子)はスギやヒノキ、ブタクサなどの天然由来成分。黄砂(日本では4μm程度のPM10)は大陸の砂漠や乾燥地帯から巻き上げられた土壌や鉱物粒子が風で飛来したもので、いずれも非人為的な自然現象に由来しています。
    (※花粉については人による裸子植物の植林と温暖化、黄砂については人による森林伐採と土地劣化に伴う砂漠化の拡大、という意味ではいずれも人為的)

    これらポリューションは、呼吸器系への侵入や肌への付着によって呼吸器疾患やアレルギー疾患など人体に悪影響をもたらします。

    花粉アレルゲンは大気汚染中でPM2.5などと化学変化を起こしてアレルギー性が上昇したり、黄砂には硫酸イオンやアンモニウムイオンが含まれるのみならず、細菌や真菌などの微生物が付着して運ばれてきます。

    実際、花粉症は30年前の約5倍(2017年)にも増加しており、花粉皮膚炎といわれる肌トラブルを引き起こしています(化学物質との反応の他に、花粉飛散量の増大、社会ストレスや食の欧風化、などが理由)。

    この様にポリューション(大気汚染物質)は、単独で、混じりあって、互いに反応して、光で活性化して、一年中、人々の肌に迫ってきます。

    <参考>
    WHO世界保健機関(2018年)は、PM2.5などによる大気汚染が世界的に拡大を続け、肺がんや呼吸器疾患などで世界で年間約700万人が死亡し、世界人口の約90%が汚染された大気の下で暮らしていると報告しています。とくに汚染が深刻なのはアジア・アフリカを中心とした低・中所得国で、中東や南アジアではPM2.5やPM10がWHO基準の5倍を超えた国が目立っています。また、WHOは2021年9月に、PM2.5の従来の環境基準濃度を半分に引き下げる指針を発表しました。それによると年平均5μg/m3以下(環境省基準15以下)となり、年数百万人の死亡を防ぐことを目的としているとのことです。

     

    ポリューションによる肌ダメージ
    ポリューションなどの外的環境ストレス因子は、皮膚組織と反応し、皮膚バリア機能を低下させ、皮膚バリアに浸透し、タンパク質・脂質・DNA分子と反応することで、酸化ストレスと炎症を引き起こします(*1)。このようにポリューションによるダメージを受けると、肌を守ろうと肌内部に活性酸素が発生しやすい状態になります。

    本来であれば外部刺激と戦う働きをする活性酸素ですが、増えすぎると肌細胞の酸化を引き起こし、細胞やDNAを傷つけてしまいます。結果として、ストレス物質の肌への暴露は、敏感肌、乾燥肌、シワ形成、色素沈着など、各種肌トラブルを加速させます。とくに敏感肌ではダメージが広がります。

    *1: Antipollution skin protection – A new paradigm and its demonstration on two active compounds
      M Portugal-Cohen et al. Clin Cosmet Investig Dermatol. 10 185–193 (2017)


     


    13. 肌に付着したポリューションはアトピー性皮膚炎を悪化させる

    高感度生体異物センサー:AhR
    AhR(Aryl Hydrocarbon Receptor、芳香族炭化水素受容体、通称ダイオキシン受容体)は低分子生体異物の高感度センサーとして、皮膚に豊富に発現しています。肌に付着したPM2.5などのポリューションは、最初にAhRを活性化することで、酸化ストレスを誘発し、炎症の慢性化や痒みを引き起こします(*1)。

    ポリューション(大気汚染物質)により恒常的に活性化されたAhRは、異物代謝酵素を誘導して生体を防御する一方、Th2炎症応答の活性化などによりアトピー性皮膚炎(AD)を悪化させます(*1)。AhR活性化による「痒み」のメカニズムは、表皮内への神経の伸長(神経栄養因子の発現増加を伴う)によるものです。

    皮膚に付着したポリューションがAhRの負のシグナルを活性化してしまいますが、それを抑制するのが抗酸化酵素のマスターレギュレーターであるNrf2です。

    マクロファージをLPS刺激などで炎症促進性に誘導するとIL-1αなどの炎症性サイトカインの遺伝子発現が上昇しますが、同時にNrf2-ARE経路を活性化させると炎症性サイトカイン遺伝子の発現が抑制されることが報告されています(*2)。

    *1: The aryl hydrocarbon receptor AhR links atopic dermatitis and air pollution via induction of the neurotrophic factor artemin.
      T Hidaka et al. Nat Immunol 18 64-73 (2017)
    *2: Nrf2 suppresses macrophage inflammatory response by blocking proinflammatory cytokine transcription.
      EH Kobayashi et al. Nat Commun 7 11624 (2016)

    環境プロテアーゼセンサー:PAR2
    慢性炎症性皮膚疾患であるADでは、実際にすべての患者が慢性掻痒(イッチ・スクラッチサイクル)に苦しんでいます。

    表皮PAR2は環境プロテアーゼの「センサー受容体」として機能し、痒みと炎症を伴うADを誘発します。黄色ブドウ球菌、植物、ハウスダストダニなどの外因性物質がADのトリガー因子として作用します。その外因性物質には、PAR2を活性化するプロテアーゼが含まれます。活性化したPAR2は、皮膚バリア破壊、サイトカイン放出、またはNF-kB活性化を誘導します。

    このADの特徴の一つであるPAR2シグナル伝達は、本来は「危険分子を感知する」ことにより表皮神経コミュニケーションを促進するという役割を持っています(*1)。しかし、ADの皮疹部では健常人に比べてPAR2発現が顕著に増強してしまっています(*2)

    PAR2シグナル阻害剤は、ADの治療のための新しいアプローチとして研究が進められています。

    *1: Protease-Activated Receptor-2 regulates neuro-epidermal communication in atopic dermatitis
      T Buhl et al. Front Immunol. 12 (2020)
    *2: Proteinase-Activated Receptor-2 Mediates Itch: A Novel Pathway for Pruritus in Human Skin
      M Steinhoff et al. J Neurosci. 23 6176-80 (2003)


    14. 清流錦川に育まれる蓮 ~山口県岩国市~

     
    産地
    山口県の岩国市は昔かられんこん栽培が盛んで、全国5番目の産地といわれています。ハス田には日本三名橋の一つである錦帯橋のかかる清流「錦川」の水が引かれ、生育環境の清浄さが維持されています。生産者である「岩国れんこん生産者の会」では全員が山口県エコファーマーの認定を受け、安全安心な栽培に取り組んでいます。

    ※錦帯橋は大正11年(1922)に史蹟名勝天然記念物保存法によって、昭和25年文化財保護法によって、それぞれ名勝に指定されています。

    未利用資源である”早生種の蓮葉”を有効活用
    岩国では晩生種の支那白花種が名産のれんこんとなっています。これは晩生種であるため、収穫時には葉の多くはすでに役割を終えて枯れています。もしこの晩生種の葉をまだ青い時期に採取してしまうと、れんこんの成長に悪影響が出てしまいます。

    そこで本原料には、れんこん収穫期に葉が青いまま残っている”早生種”の葉を活用しています。早生種の葉はれんこん収穫の邪魔になるため刈り取られますが、一部が蓮茶でしか利用されていない未利用資源です。この未利用資源である蓮葉を化粧品原料に活用することは、エシカルでアップサイクルな化粧品開発と地域貢献につながるものと、我々は考えています。

    生物多様性とハス田
    生物多様性条約にもとづき、「農業の生物多様性に関する決定」がなされています。この決定において、水田は何世紀にもわたり多様な生きものの棲み家を提供する特有の生態系を維持しているなど、生物多様性の保全に大きな役割を果たしていることが盛り込まれています。

    水田は基本的にわが国ではイネ田を意味するものですが、同様にハス田もそこで生息する水生生物、それを捕食する生物たちの暮らしに重要な役割を果たしていることが分かっています(*1)。イネ田と異なりハス田は年間を通じて湛水状態なので、イネ田とは異なる生物相が見られます。またハス田であれば、都心部においてでさえ絶滅が危惧されているカワセミを見ることもできます。川から直接水を引くなど、自然環境との連続性もイネ田よりも高いことから、環境負荷の低いれんこん栽培を実践することは、地域の環境保全や生物多様性の維持につながります。

    日本の食文化に欠かせない「将来の見通しがきく」縁起物のれんこん。文化・環境の両面からも、蓮は日本の将来に残すべき大切な植物です。

    *1: ハス田とイネ田における冬期湛水の有無が作物成長期の水生動物相に与える影響
      岩田, 藤岡 保全生態学研究 11 94-104 (2006)

     


    15. 原料情報(FGP)

    原料情報
    原料名:蓮の葉HOLYTECT
    製品英語名:Sacred Lotus Leaf HOLYTECT
    表示名称 :ハス葉エキス
    INCI :Nelumbo Nucifera Leaf Extract
    中文名称:莲(NELUMBO NUCIFERA)叶提取物

    安全性情報
    ・24時間閉塞パッチテスト:刺激性なし
    ・SIRC細胞を用いた眼刺激性試験:刺激性なし
    ・ROSアッセイによる光毒性試験:陰性
    ・敏感肌パッチテスト(スティンギングテスト):刺激性なし

    SDGs

    4.7/5.5/8.9/9.4/9.b/10.2/11.4/11.a/12.3/12.5/12.8/12.a/12.b/15.9/17.16/17.17(9目標16ターゲット)

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