お問い合せはこちらから

植物ヒト型セラミド

 
世界初! 植物由来なのに皮膚同一型
 ~ 植物ヒト型セラミド ~
Plant Human Ceramide

縄文時代から一万年以上も日本人に愛されてきた和栗。その加工副産物である栗皮から植物では世界初の植物ヒト型セラミドの実用化に成功しました。植物ヒト型セラミドは、超長鎖構造であることを特長とし、高い肌バリア機能改善効果と保湿効果をもちます。 

          植物ヒト型セラミドの構造(セラミドAP)


1. 植物ヒト型セラミドの特長

植物由来(栗皮)でヒト型構造(セラミドAP)をとり、超長鎖を特長とする世界初のセラミドが「植物ヒト型セラミド」です。

・由来(起源):和栗の皮です。当社は、栗が外皮形成の際に植物ヒト型セラミドを生産することを発見しました。種子(栗の実)の乾燥を防ぐため、ヒトの角層と同様にセラミドを蓄積し、保湿していることが考えられます。
ヒト型セラミド:ヒト皮膚のセラミドと同等の構造を意味します
セラミドAP:αヒドロキシ(Alpha-hydroxy)脂肪酸とフィトスフィンゴシン(Phytosphingosine)が結合したヒト型セラミドで、それぞれのイニシャルのAとPを組み合わせた名称です。
超長鎖:ヒトの肌の主要なセラミド成分は、脂肪酸鎖長が炭素数24などの超長鎖セラミドです。植物ヒト型セラミドの多くもC24やC26などの超長鎖セラミドです。超長鎖セラミドは、角層の細胞間脂質として安定なラメラ層を構築しバリア機能を高めます
なお、合成セラミドの脂肪酸鎖長はC18と短いものです。

                  植物ヒト型セラミドのポジショニング


2. ヒト型セラミドについて

セラミドは皮膚の細胞間脂質のひとつで、保湿とバリア機能においてもっとも重要な成分の一つです。
セラミドは、スフィンゴシン(第一級アミノアルコール)と脂肪酸が酸アミド結合したスフィンゴ脂質という物質群の一つです。
ヒトの肌には、細かく分類すると300種以上のセラミド分子が確認されており、これらと同じ構造をもつセラミド原料を「ヒト型セラミド」と呼びます。
セラミドは化粧品原料としてとても注目されている成分ですが、化粧品に使用されているセラミドのほとんどは化学合成品です。
セラミドの名称は構造の違いから分類されており、現在の化粧品表示名称としては下図のように分類されています。
合成品ではないヒト型セラミドは微生物由来しかなく※参考)、植物由来のヒト型セラミドはこれまでありませんでした。

                 化粧品に用いられているヒト型セラミドの名称(図1)


3. 植物セラミドと動物セラミドについて

植物由来のセラミド原料は、コンニャクやコメなど多くの植物から実用化されています。これらはすべて、グルコシルセラミド(糖セラミド)という成分であり、人の肌のセラミドとは構造が大きく異なります。主に食品用原料として使用されています。
 動物由来のセラミドとしては、馬脊髄やミルク由来が挙げられますが、これらも人の肌のセラミドとは構造が大きく異なることが分かっています。馬由来はセレブロシド、ミルク由来はスフィンゴミエリンという成分になります。つまりこれまでの天然セラミドは、植物、動物由来にかかわらず、すべて非ヒト型になります。
 ヒト型セラミドは、糖やリン酸が結合していない遊離の形をとります。通常の生きた細胞には含まれないことから、自然界にはほとんど存在していない成分となります。植物におけるヒト型セラミドの前駆体は、グルコース結合型ではなく、リン酸結合型セラミド(酸性スフィンゴ脂質)になります。そのため、ヒト型セラミドはセラミドアグリコンとは呼ばず、遊離(フリー)セラミドと呼ぶこともあります。
 一方ヒトの皮膚は、地上の乾燥ストレスに対抗するために、長い進化の過程でヒト型セラミドを恒常的に産生する能力をもちました。

※セレブロシド:セラミドにグルコースやガラクトースが結合したグリコシルセラミドのこと
※スフィンゴミエリン:セラミドにホスホリルコリンが結合したセラミドのこと

                   天然セラミドの分類と種類


4. 植物ヒト型セラミドの構造解析

  植物ヒト型セラミドの構成セラミド分子の分類と構造

<結果と考察>
LC-MSによる構造解析の結果から、少なくとも18種(主に脂肪酸鎖長の違い)のセラミド分子が確認されました。また、脂肪酸のC2位に水酸基をもつαヒドロキシ型脂肪酸とフィトスフィンゴシンが結合したセラミドAPタイプが、植物ヒト型セラミドの主要構造であることが分かりました。
そこで、代表的なセラミド分子を炭素数(脂肪酸鎖長)の違いにより分類しました。リグノセリン酸(C24脂肪酸)とフィトスフィンゴシン(C18)が結合した総炭素数42の超長鎖セラミドが最も多く、次いでセロチン酸(C26)が結合した総炭素数44の超長鎖セラミドが多いことが分かりました。脂肪酸としてC24、C25、C26をもつ、超長鎖セラミドが植物ヒト型セラミドの特長です。


5. 植物ヒト型セラミドの構造的な特長

  セラミドの角層内ラメラ構造


6. 有効性情報と期待される効果

・構造が超長鎖型(脂肪酸の長さが24や26):肌のバリア機能を改善し、保湿力を向上
・ヒアルロン酸合成遺伝子発現促進(HAS1):真皮の高分子ヒアルロン酸合成を促進することによるしわ・たるみ改善
・フィラグリン遺伝子発現促進(FLG):NMFの供給源であるフィラグリンを産生促進することによる保湿改善
・トランスグルタミナーゼ遺伝子発現促進(TGM1):強固な構造のCEを形成することによる保湿とバリア機能改善 ※CE:コーニファイドエンベロープ
・β-グルコセレブロシダーゼ遺伝子発現促進(GBA1):グルコシルセラミドからセラミドを産生することによる保湿・バリア機能改善

   保湿/バリア機能改善/キメを整える/乾燥性小じわを目立ちにくくする


7. 植物ヒト型セラミドの保湿作用

<試験方法>
細胞を24時間培養。植物ヒト型セラミド含有DMEMを加え24時間培養。その後、RNA抽出よびcDNA合成。cDNAを用いてRT-qPCR。真皮線維芽細胞とヒト表皮角化細胞への添加濃度は0.5ng/mL、3D表皮モデル細胞への添加濃度は0.5mg/mL

               植物ヒト型セラミドの保湿遺伝子発現促進効果

<遺伝子の特徴>
HAS1(Hyaluronan synthase-1: ヒアルロン酸合成酵素-1 )
真皮でのヒアルロン酸合成を担う酵素。真皮に存在する線維芽細胞に発現し、高分子のヒアルロン酸を作り出します。HAS1はHAS2よりも高分子のヒアルロン酸を産生します。ヒアルロン酸は肌の水分保持に関与し、肌にハリを与えてシワを防ぎます。
FLG(Filaggrin: フィラグリン)
ヒトが持つ保湿成分である天然保湿因子(Natural moisturizing factor:NMF)の元となるタンパク質。肌の代謝と共に分解されてアミノ酸となり、NMFとして角質層水分を保持します。減少すると、肌のバリア機能や水分保持能が低下して乾燥の原因になります。
TGM1(Transglutaminase: トランスグルタミナーゼ)
肌のバリア機能に関わる「コーニファイドエンベロープ(Cornified envelope:CE)」の形成や成熟促進をする酵素。湿度が高い環境で活性が高まり、成熟したCEを生成します。CEの成熟は、肌のバリア機能や水分保持能の維持・向上に繋がります。
GBA1(β-glucocerebrosidase: β-グルコセレブロシダーゼ)
セラミドの前駆体であるグルコシルセラミドからセラミド(セラミドEOP(セラミド1))などを産生する酵素。表皮細胞で産生され、外的刺激から守るバリア機能を担っています。加齢などによりセラミドが減少すると乾燥の原因となります。

<結果と考察>
植物ヒト型セラミドは線維芽細胞のヒアルロン酸合成酵素遺伝子(HAS1)の発現を促進させました。これにより、真皮ヒアルロン酸が増加し、真皮中の水分が保持され、肌にハリを与えシワの形成を抑えることが期待できます。
また、植物ヒト型セラミドは、ヒト表皮角化細胞におけるNMF産生に関わるフィラグリン遺伝子を、3D表皮モデル細胞における角層タンパク質の結合によるバリア機能強化に関わるTGM遺伝子を、セラミド産生による保湿とバリア機能強化に関わるGBA遺伝子発現をそれぞれ発現促進させました。フィラグリン遺伝子においては、合成ヒト型セラミドよりも強い発現促進効果が見られました。


8. 植物ヒト型セラミド -まとめ-

植物のセラミド代謝においては、植物特有の構造をもつグルコシルセラミドを作る系と、ヒト型のセラミド骨格をもつ高分子のリン酸結合型セラミドを作る系の大きく2系統が存在します。前者のグルコシルセラミドは肌のセラミドとは構造が大きく異なるものの、多くの植物から実用化され、いわゆる「植物性セラミド」として、機能性表示食品にも使用されています。一方、後者のリン酸結合型セラミドは、プログラム細胞死という生命現象下でリン酸結合が切れてヒト型セラミドに変換され、それが栗皮に蓄積していることを当社は発見しました。ヒトの皮膚代謝で恒常的に起きているセラミド生産が、植物の外皮形成においても起きていることが示唆されます。

植物ヒト型セラミドは肌のセラミドと同等の構造である超長鎖型をとり、肌本来の保湿機能を改善します。また、皮膚の保湿関連遺伝子の発現を促進させることにより、皮膚自身の保湿能力を改善します。


9. 国産植物にこだわる化粧品OEM会社が発明した世界初の植物原料

植物と人は生物学的に大きく異なり、植物成分の生体親和性は必ずしも高いとは言えません。サティス製薬は、植物を独特に活用し、植物成分のバイオアベイラビリティを向上させる研究を鋭意進めており、植物ヒト型セラミドもその成果の一つです。


10. 参考文献

福光ら,セラミド研究会第1回学術集会要旨集 (2008)
柚木,スフィンゴ脂質およびスフィンゴ脂質の取得方法 特開2012-41518 (2012)
柚木,Fragrance Journal 41 44 (2013)
柚木,和栗の皮からの植物ヒト型セラミド高含有原料の開発 月刊BIOINDUSTRY 5月号 pp54-62 (2017)

11. 製品情報

原料情報
原料産地:主に茨城県産の栗皮
表示名称:セラミドAP(or セラミド6II), フィトステロールズ, グルコシルセラミド(or スフィンゴ糖脂質)
INCI: CERAMIDE AP (or CERAMIDE 6II), PHYTOSTEROLS, GLUCOSYL CERAMIDE (or GLYCOSPHINGOLIPIDS)
中文名称:神经酰胺 6 II, 植物甾醇类, 糖鞘脂类(GLYCOSPHINGOLIPIDS)

安全性情報
・24時間閉塞パッチテスト:刺激性なし
・SIRC細胞を用いた眼刺激性試験:刺激性なし
・ROSアッセイによる光毒性試験:陰性



※本資料の著作権は出典が明記されているものを除き、原則、株式会社サティス製薬に帰属します。目的と方法を問わず、本資料の一部または全部について無断で複写、複製、引用、転載、翻訳、貸与等を行うことを禁止します。本資料は原料技術資料であり、本資料で紹介している表現は、各種法律に違反しないことを何ら保証するものではありません。