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低分子黄菊アピゲニン

 
独自技術で高浸透化 
  ~ 低分子黄菊アピゲニン ~2019.01.31

古来からの延命長寿薬である黄菊「阿房宮」はフラボノイド含量が黄菊トップクラスです。
そこから、植物の力を最大に引き出す独自ATG技術により生み出された高浸透アピゲニンを高含有する黄菊の化粧品原料です。
アピゲニンは強力な抗炎症因子であるとともに、皮膚におけるオートファジー誘導成分としても注目されています。

1. 素材紹介


キク科キク属で、学名「Chrysanthemum morifolium」
青森県三戸郡南部町産の食用黄菊品種「阿房宮」を使用しています。
菊は平安時代に伝来し、八重菊は皇室の家紋として使われています(菊花紋章)。
観賞用としてだけでなく、古来から長寿薬としても利用されてきました。

2. 黄菊品種”阿房宮”はフラボノイドを高含有

阿房宮に含まれるフラボノイド成分を著名な食用黄菊品種とHPLCで比較分析しました。

         黄菊のフラボノイド量の比較分析

黄菊には主に3種類のフラボノイド配糖体が検出されました。アピゲニン配糖体などのフラボノイド量は、阿房宮に最も多く含まれていました(当社調べ)。
このことは、阿房宮が長寿薬として伝承されてきた本質とも考えられます。


3. ATG技術とは

植物は老廃物や老化した細胞を分解することによって低分子化して新陳代謝に再利用する能力をもち、
このことをオートファジー(ATG)と呼びます。
オートファジーは、2016年ノーベル生理学・医学賞(大隅良典先生が受賞)により有名になった生命現象です。
そこで、ATG技術を施した原料をLC-MSで分析しました。
フラボノイドの一種のアピゲニンは、植物には一般的に配糖体として存在し、アグリコンはほとんど含まれません(左図:ノーマル黄菊エキス)。しかし、ATG技術により製造した原料(右図)には、低分子アグリコンであるアピゲニン(分子量270)が多く含まれます。そこで本原料を、「低分子黄菊アピゲニン」と名付けました。
フラボノイドアグリコンは、低分子かつ脂溶性なので角質浸透性に優れます。

    ATG技術によるフラボノイドアグリコンの生成

4. ATG技術が実現する優れた経皮吸収性 -3次元表皮モデル細胞-

<試験方法>
検体を3次元表皮モデル細胞に投与し、1時間、37℃で培養。その後、PBSで繰り返し洗浄し、細胞を剥離後、80%メタノールで抽出。遠心上清をLC分析しました

<結果と考察>
低分子黄菊アピゲニンを表皮細胞に投与すると、細胞に浸透したアピゲニンが検出されました。
一方、ノーマル黄菊エキスに含まれる成分は細胞中で検出されませんでした。
 皮膚の角層は角質細胞と細胞間脂質が緻密に配置され、層全体としては疎水性バリアの性質をもちます。そのため、低分子・脂溶性のフラボノイドアグリコンであるアピゲニンは、経皮吸収に優れ、細胞に浸透して様々な生理機能を発揮します。


5. 有効性情報と期待される効果

 

有効性情報
・ラジカル消去
・スーパーオキシド消去
・過酸化脂質生成抑制
・チロシナーゼ阻害
・天然保湿因子様アミノ酸
・コラーゲン産生促進
・ヒアルロン酸産生促進
・抗炎症1)
・皮膚オートファジー2)
・11β-HSD1阻害3)
 

期待される効果
・抗酸化
・抗光老化
・抗炎症
・美白
・保湿
・しわたるみ改善
・痒み
・抗ストレス
 

1) Man MQ et al. Evid Based Complement Alternat Med. 912028 (2012)
2) Bridgeman BB et al. Cell Signal. 28 460-8 (2016)
3) Chong FW et al. Malays J Pathol. 31 1 35-43 (2009)
 Apigenin significantly reduced the both apoptotic index and TGF-beta intensity
 

6. ATG技術によるアミノ酸の増加 -LCMS-

花は抗酸化成分だけでなく、アミノ酸も多い組織です。
それがさらにATG技術により、アラニンが12倍、GABAが37倍などに増加し、保湿効果などの向上が期待できます。


7. 低分子黄菊アピゲニンの抗老化作用 -真皮線維芽細胞-

<試験方法>
真皮線維芽細胞を24時間培養。その後、低分子黄菊アピゲニン含有DMEMを加え24時間培養。その後、ELISAで定量  試験濃度:4μg/mL

<結果と考察>
低分子黄菊アピゲニンは線維芽細胞のヒアルロン酸とコラーゲン産生量をそれぞれ増加させました。
これにより、皮膚のしわ・たるみの改善が期待できます。


8. 低分子黄菊アピゲニンの美白作用 -in vitro-

<試験方法>
・チロシナーゼ活性阻害試験:メラニン合成酵素チロシナーゼに対する阻害効果を、ドーパからドーパクロームの酵素生成物の量で測定  試験濃度:400μg/mL

<結果と考察>
低分子黄菊アピゲニンはチロシナーゼ酵素活性を阻害し、市販の黄菊エキスよりも高い阻害活性を示しました。
チロシナーゼはメラニン産生に必須の酵素です。紫外線などの影響で活性化し、色素細胞中でチロシンというアミノ酸から段階を経てメラニンになる際に作用します。シミなど色素沈着のある肌で活性化しています。


9. 低分子黄菊アピゲニンの抗酸化作用 -in vitro-

<試験方法>
ラジカル消去試験:DPPHラジカルの消去能を測定
過酸化脂質生成抑制試験:リノール酸が酸化してできる共役ジエンを測定
試験濃度:400μg/mL

<結果と考察>
ラジカル消去作用と過酸化脂質生成抑制作用が認められました。低分子黄菊アピゲニンは皮膚へと浸透し、紫外線暴露により生じるROSを消去することにより光老化抑制効果が期待できます。過酸化脂質の生成を抑制することにより、過脂化メラニンの産生を抑え、さらに皮膚のターンオーバーを正常化することによる、美白効果も期待できます。


10. 菊は不老長寿の霊薬とし受け継がれている -芭蕉句より-

俳聖松尾芭蕉も菊の力に着目した複数の句を残しています。

秋を経て蝶もなめるや菊の露
「菊水伝説」: 上流に菊が群生していてその露が川に流れ出し、その水を飲んでいるので人々が長命であるという。
稲こきの姥もめでたし菊の花
菊の花は古来長寿のめでたい花とされている。この菊の利益で田んぼで稲こきをしている老婆はあんなに元気である。
一露もこぼさぬ菊の氷かな
晩秋の菊の花には朝露が凍ってついている。まるで菊の花びらは、この氷を手放すまいとしている。


11. 植物フラボノイド

植物の本質は「動けないこと」。そのため、環境に適応するため多様な防御機構が存在します。その中核となるのが抗酸化成分であるフラボノイドなどのポリフェノールです。フラボノイドには何千種ともいわれる多様な分子種が存在しますが、植物体内ではフラボノイドを安定に蓄積するため、配糖化酵素によりグルコースやラムノースなどの糖を付加したフラボノイド配糖体となっています。人間にとってフラボノイドは、活性酸素消去、抗がん作用、抗アレルギー作用など健康増進機能をもつことが知られていますが、配糖体とアグリコンではアグリコンの活性が高く、これはフラボノイドアグリコンの細胞透過性が関与していると考えられます。


12. 製品情報

原料情報
・青森県産の食用黄菊品種「阿房宮」を使用
・表示名称:キク花エキス
・INCI名:CHRYSANTHEMUM MORIFOLIUM FLOWER EXTRACT
・中文名称:菊(CHRYSANTHEMUM MORIFOLIUM)花提取物

安全性情報
・24時間閉塞パッチテスト:刺激性なし
・SIRC細胞を用いた眼刺激性試験:刺激性なし
・ROSアッセイによる光毒性試験:陰性



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