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白ビワエキス

 
ふるさと元気プロジェクト [医薬部外品表示名称:ビワ葉エキス]
              ※油溶性ビワ葉エキスも

「幻の白ビワ」日本で唯一の産地から
 ~ 白ビワエキス ~2019.04.25

古よりの生薬、ビワの葉
なかでも伊豆市土肥だけにしかない幻の白ビワ
コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンを産生する皮膚細胞を活性化
同時にそれら産生物を保護して安定化させるエイジングケア原料

FGP: ふるさと元気プロジェクト


1. 白ビワとは

バラ科ビワ属、学名「Eriobotrya japonica」、英名「Loquat」
語源は葉の形や実の形が楽器の琵琶に似ているからとされ、中国語でも同じ枇杷の表記です。
果実は食用として親しまれていますが、葉は古くから「琵琶葉」という生薬として使われており、肌への有効性も知られています。ビワの葉を入れた風呂は肌荒れ、日焼けなどの皮膚トラブルに対して効果があるとされてきました。
ビワの葉を蒸して荒茶に仕上げたビワの葉茶は静岡県内でもよく飲まれており、夏バテに効果があるといわれ、ビワの葉酒は肩や腰などの痛みにも効果を発揮するとされています。
ビワの中でも「白ビワ」は希少種で、日本では静岡県伊豆市土肥(とい)でしか栽培されていません。
そのため「幻のビワ」と呼ばれています。

幻の所以
・中国から伝わった白ビワの種子を静岡県各地で栽培を試みましたが、実をつけたのは唯一土肥の白ビワだけでした。
・伊豆市土肥の気候と土地が白ビワ栽培にちょうど適していて、品種名も「土肥」で登録されています。
・皮をむくと実は白っぽく 、無類の甘さを持ちますが、とても繊細で傷みやすいため市場にはほとんど出回りません。
・収穫時期も通常のビワは約1ヶ月なのに対し、約2週間と短く、この時期に土肥に直接行かないと食べられません。
・明治30年代には皇室に献上されました。
・昭和34年の伊勢湾台風(最低気圧894hPa)により白ビワも壊滅的被害を受けましたが、その後、「土肥びわ研究会」の有志達により復活を果たしました。
・その稀少性から、土肥地域の白ビワの木はすべて伊豆市が管理しており、市の職員や地域のボランティアの手で守られています。
・摘果、袋掛けを行わない無農薬の露地栽培です。
・白ビワの葉は、他県産のビワ葉とは色が違い、これは有効成分の違いによると考えられます。

白ビワの葉に着目
当社は、白ビワの希少性だけでなく、白ビワが高濃度の糖分を果実に蓄積し、且つ完熟しても白色を維持する能力を持つことから、他のビワにはない力(肌への有効性)を持っていると考え、白ビワに着目しました。また、食品としての価値の高いビワ果実本体ではなく、植物の特性上抗酸化力の高い「葉」に着目し、原料開発を行いました。


2. 有効性情報と期待される効果

 

有効性情報
・ヒドロキシラジカル消去
・線維芽細胞賦活
・ヒアルロニダーゼ阻害
・エラスターゼ阻害
・コラゲナーゼ阻害
・糖化タンパク質生成抑制
・チロシナーゼ阻害1)
 

期待される効果
・抗酸化
・抗光老化
・抗老化
・しわたるみ改善
・くすみ改善
・美白
 

【参考文献】
1) Li HR et al. Molecules. 19 12940-8 (2014)
 Effect of chlorogenic acid on melanogenesis of B16 melanoma cells.
 


3. 白ビワエキスに含まれる有効成分

白ビワエキスにはクエン酸、キナ酸、グルコン酸などの有機酸が含まれ、これらの成分にはピーリング効果やターンオーバー改善効果が期待できます。ポリフェノールとしてはカフェオイルキナ酸などの、いわゆるクロロゲン酸が多く含まれていることが確認されました。クロロゲン酸はチロシナーゼを阻害する美白成分として知られており、さらに、クロロゲン酸の構成分子であるカフェ酸は、ジフェニル構造を有することからラジカル捕捉能が高いことも知られています。
これらの成分が白ビワエキスの有効性に関与していると考えられます。


4. 白ビワエキスのヒドロキシラジカル消去能

<試験方法>
ヒドロキシラジカル開始剤とフェントン試薬による蛍光プローブの酸化による消光を測定
HORAC (Hydroxyl Radical Antioxidant Capacity): mmol GAE/L

<結果と考察>
白ビワエキスはHORAC値で示されるヒドロキシラジカル消去(没食子酸相当量:GAE)において高い活性を示しました。
これは、同じバラ科植物であるモモの葉、タンニンが多い栗の渋皮、柑橘ポリフェノールの豊富なユズ、よりも高い活性であることが分かりました。


5. 白ビワエキスの細胞賦活作用 -真皮線維芽細胞-

<試験方法>
真皮線維芽細胞を24時間培養。その後、白ビワエキス含有EMEMを加え48時間培養し、細胞数をMTT還元法でカウント
試験濃度:1, 10μg/mL

<結果と考察>
白ビワエキスは線維芽細胞を賦活しました。
細胞賦活とは、正常細胞の増殖が活発になることを意味しています。
線維芽細胞は、真皮層においてコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を作り出す細胞です。
加齢とともに、細胞の増殖速度が落ち、細胞から作りだされる成分も少なくなってしまいます。
白ビワエキスは細胞を元気にし、細胞の物質生産を促進させることにより、しわ・たるみ改善効果が期待できます。


6. 白ビワエキスのヒアルロン酸保護作用 -in vitro-

<試験方法>
ヒアルロニダーゼと検体を反応させ、活性化処理後、ヒアルロン酸を添加
生成するN-アセチル-D-グルコサミンをエールリッヒ反応により吸光度測定(570nm)
試験濃度: 100μg/mL

<結果と考察>
白ビワエキスは強力なヒアルロニダーゼ阻害活性を示しました。
白ビワエキスの活性は、同一条件で調製した他県産ビワの葉エキスよりも高いことが分かりました。
ヒアルロニダーゼは肌の水分保持に重要なヒアルロン酸を分解する酵素です。炎症によって真皮線維芽細胞で増加し、肌の柔軟性や水分保持能を低下させ、しわやたるみの原因となります。
白ビワエキスには、炎症を抑えてヒアルロン酸を保護することによる抗老化作用が期待できます。


7. 白ビワエキスのコラーゲン保護作用 -in vitro-

<試験方法>
Pz-ペプチドを基質としてコラゲナーゼの阻害効果を吸光度(OD320)で測定
試験濃度: 100μg/mL

<結果と考察>
白ビワエキスはコラゲナーゼ活性を抑制し、その効果は他県産ビワの葉エキスよりも高いことが示されました。
コラゲナーゼは皮膚ではケラチノサイト(表皮角化細胞)や線維芽細胞などで生産され、マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)とよばれる酵素群の一つです。肌に弾力性を与えてくれるコラーゲンを分解する酵素で、紫外線により増加し、コラーゲンの分解を促進させます。また加齢や炎症によっても多く作られ、しわの形成やはりの低下に繋がります。
白ビワエキスには、これらの因子を抑制することによる、しわ・たるみ改善効果が期待できます。


8. 白ビワエキスのエラスチン保護作用 -in vitro-

<試験方法>
エラスチンを分解するエラスターゼ酵素活性に対する阻害効果を測定
試験濃度単位:μg/mL

<結果と考察>
白ビワエキスはエラスターゼ活性を濃度依存的に阻害しました。
エラスチンは網目状に構成されるコラーゲンを結びつけ、コラーゲンとともに肌のハリを維持しています。
別名、「弾力繊維」と呼ばれ、ゴムのように伸縮します。そのため、加齢や紫外線、活性酸素、ストレス、エラスチン分解酵素(エラスターゼ)などによってエラスチンが減少すると、しわやたるみなど老化の原因となります。
このことから、エラスターゼを阻害する成分には肌のハリを回復または維持させ、その結果肌を若々しく保たせる効果が期待できます。


9. 白ビワエキスの抗糖化作用 -in vitro-

<試験方法>
D-グルコース、アルブミンおよび検体溶液を60℃、48時間で反応させた後、蛍光強度を測定
試験濃度:白ビワエキス 70μg/mL、αリポ酸 7ug/mL

<結果と考察>
白ビワエキスは糖化タンパク質生成抑制作用を示しました。
タンパク質の糖化は終末糖化産物(Advanced Glycation End products: AGEs)の生成へと至り、皮膚へのAGEs蓄積は肌の透明感を低下させたり、しわやたるみの原因となることが分かっています。
皮膚の糖化は、皮膚老化原因の3割を占めているともいわれています。


10. 製品情報

原料情報
・伊豆市(旧土肥町)が管理するビワ農園「花木園」の無農薬栽培の葉を使用
・表示名称:ビワ葉エキス
・INCI名: ERIOBOTRYA JAPONICA LEAF EXTRACT
・中文名称:枇杷(ERIOBOTRYA JAPONICA)叶提取物 

安全性情報
・24時間閉塞パッチテスト:刺激性なし
・SIRC細胞を用いた眼刺激性試験:刺激性なし
・ROSアッセイによる光毒性試験:陰性


11. ふるさと元気プロジェクト(FGP)

FGPの目指す化粧品のバリューチェーン

白ビワは収穫時期が短く傷みやすい性質から加工品として利用されることが多く、「白枇杷酒」や「白枇杷ワイン」などが地元の特産品となっています。「ビワ狩り」も年々人気になっています。

このような、地域農産品(一次産品)のもつ固有の価値(バリュー)に
  ①化粧品OEM会社の有する技術力
  ②化粧品販売メーカーの企画販売力
  ③消費者の評価 
 などが加わることにより、一次産品の価値が連鎖的に高まります。
 消費者は、化粧品製品と産地に共感を覚え、
 産地への共感は、SNSによる拡散、一次産品の購買行動、観光など、地域振興へとつながります。
 化粧品により「伊豆市土肥の白ビワ」に付与された新しいバリューが、生産者と地域にフィードバックされます。



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