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桂木起源柚子エキス

 
ふるさと元気プロジェクト [医薬部外品表示名称:ユズエキス]
ゆず湯の効能をエキスに凝縮
 ~桂木起源柚子エキス~2019.06.03

日本最古のゆずの里、桂木
古来より冬の寒さから日本人の肌を守り続けてきたゆず
表皮のセラミド産生能とコーニファイドエンベロープ形成能を活性化してバリア機能を強化
同時に真皮のコラーゲンとヒアルロン酸を保護

FGP: ふるさと元気プロジェクト


1. 桂木ゆずとは

ミカン科ミカン属、学名「Citrus junos」
日本へは奈良時代の頃に、安徽から北京、さらに朝鮮を経て渡来したといわれています。ゆずが日本の歴史で初めて登場するのは、「続日本紀」に「戊辰、往々京師に隕石あり。其の大きさ柚子の如し」と記述されています。ゆずは1,300年もの間日本人に親しまれている柑橘類で、現在は日本での生産と消費が最大です。
 ゆずは耐寒性の強い柑橘で、果実の品質は気温が低いところがよいと言われています。本格的な栽培は古くからのゆずの里である京都市水尾、埼玉県毛呂山(もろやま)などの産地に限られてきましたが、昭和35年以降に徳島県、高知県でも本格的な栽培が行われるようになりました。果実は10~11月頃で、この季節に山を訪れると、ゆずの香りが山全体に香っています。ゆずはなべ物や汁物の薬味に、のどや皮膚の乾燥や風邪の予防にと、昔から日本人はゆずの力で寒い冬を乗り越えてきました。

ゆず湯
冬至にゆず湯に入るようになったのは、江戸時代からと言われています。この時期のゆずの非常に強い香気には昔から邪気払いがあると信じられてきました。ゆずをお風呂に入れると精油が浸出し、果実部から出る芳香の精油は大脳を刺激して気分を爽快にするほか、皮膚表面の血管を刺激して血液の循環を促進し、冷え性、神経痛、打撲傷などにも効果があると言われています。ゆずに含まれるフルーツ酸(AHA)が肌の角質のピーリング効果をもつことで、これは現代の化粧品にも応用されています。伝統的に「ゆず湯に入って肌がつるつるになる」ことが、化粧品に応用されています。
 
日本最古の産地、伝統が育む桂木のゆず
 埼玉県毛呂山町の桂木は、京都・水尾と並ぶ「日本最古のゆずの里」として知られています。そこで、本原料を「桂木起源柚子エキス」と名付けました。「四国のゆずに比べ、表面がごつごつしていて、皮が厚い、何より香りが高いこと、それが桂木ゆずの特徴です」、と生産者は語ります。終戦後、「桂木のゆず」は全国的に引く手あまたの有名ブランドになりました。桂木ゆずは、知る人ぞ知る逸品です。


2. ゆずに受け継がれてきた薬効

古くは風邪薬として利用され、葉、果実、種子をもちいた民間薬から漢方薬まであり、出血止め、トゲ傷、歯痛、生理不順など多くの病気やケガに薬効があると言われています。以下に、いくつかの受け継がれてきた薬効を紹介します。

①実を切って酒に浸し、その汁をヒビ、アカギレ、その他皮膚の荒れに塗ると良い
②胸、背中のニキビにゆず汁をつけパックする
③入浴後か、ゆずの輪切りにしたもので顔全体に塗る。少なくとも週一回行うと、うつくしくあかぬけした肌となる
④妊娠中に増える顔のシミに対し、マッサージクリームにゆず果汁を数滴落としてマッサージを行う
⑤歯が黄色くなったとき、タバコの歯のヤニ除けにガーゼにゆず果汁をつけ歯磨きをする。タバコのにおいを消し、歯を白くする
⑥口臭予防にゆずをかじる
⑦ゆず湯の薬効

桂木起源柚子エキスには、クエン酸が豊富に含まれる他、柑橘フラバノンとして、ナリルチン、ナリンジン、ヘスペリジン、ネオヘスペリジンが多く含まれることが確認されています。

参考文献
・沢村正義 フレグランスジャーナル社 (2008) ゆずの香り-柚子は日本が世界に誇れる柑橘-
・川鍋亮 中央公論新社(2003)フルーツ薬効学


3. 有効性情報と期待される効果

 

有効性情報
・ラジカル消去
・スーパーオキシド消去
・保湿関連遺伝子発現促進
・老化関連遺伝子発現抑制
・ヒアルロニダーゼ阻害
 

期待される効果
・抗酸化
・抗光老化
・保湿
・しわたるみ改善
・抗炎症
 

 


4. 柚子エキスの保湿作用 -ヒト表皮角化細胞-

<試験方法>
ヒト表皮角化細胞を24時間培養。その後、柚子エキス含有DMEMを加え48時間培養。
RNA抽出よびcDNA合成、cDNAを用いてRT-qPCR
試験濃度: 1, 10, 100μg/mL

<遺伝子の特徴>
TGM(Transglutaminase: トランスグルタミナーゼ)
肌のバリア機能に関わる「コーニファイドエンベロープ(Cornified envelope:CE)」の形成や成熟促進をする酵素。湿度が高い環境で活性が高まり、成熟したCEを生成します。CEの成熟は、肌のバリア機能や水分保持能の維持・向上に繋がります。
HAS3(Hyaluronan synthase-3: ヒアルロン酸合成酵素-3 )
表皮でのヒアルロン酸合成を担う酵素。HAS3の発現が増えることでヒアルロン酸産生が増加します。これにより表皮中のヒアルロン酸量が増加し、水分量が保たれ保湿機能が維持されます。
GBA(β-Glucocerebrosidase: β-グルコセレブロシダーゼ)
セラミドの前駆体であるグルコシルセラミドからセラミド(セラミドEOPなど)を産生する酵素。表皮細胞で産生され、外的刺激から守るバリア機能を担っています。加齢などによりセラミドが減少すると乾燥の原因となります。
SMPD(Sphingomyelin phosphodiesterase: スフィンゴミエリナーゼ)
セラミドの前駆体の一つであるスフィンゴミエリンからセラミド(セラミドNS、セラミドASなど)を産生する酵素。表皮細胞で産生され、肌の水分保持を担っています。作り出されるセラミド量が増えることで肌のバリア機能や水分保持力が向上します。

<結果と考察>
柚子エキスは、ヒト表皮角化細胞において、保湿に関わる重要遺伝子であるTGM、HAS3, GBAおよびSMPDの発現量を促進させました。ヒアルロン酸とセラミドはそれぞれ肌の3大保湿因子の一つです。セラミドとコーニファイドエンベロープは角層を強固なものとし、バリア機能の維持に大きく関わります。柚子エキスは、表皮のトランスグルタミナーゼ、ヒアルロン酸、およびセラミド産生能を活性化させ、保湿・バリア機能の改善効果が期待できます。


5. 柚子エキスの抗老化作用 -真皮線維芽細胞-

<試験方法>
真皮線維芽細胞を24時間培養。その後、柚子エキス含有EMEMを加え24時間培養し、RNA抽出よびcDNA合成。cDNAを用いてRT-qPCR
試験濃度:1, 10, 100μg/mL

<遺伝子の特徴>
マトリックスメタロプロテアーゼ-1(Matrix metalloproteinase-1:MMP-1)
肌に弾力性を与えてくれるコラーゲンを分解する酵素。紫外線により増加し、コラーゲンの分解を促進させます。また加齢や炎症によっても多く作られ、シワの形成やハリの低下に繋がります。
ヒアルロニダーゼ-1(Hyaluronidase-1:HYAL-1)
肌の水分保持に重要であるヒアルロン酸を分解する酵素。炎症によって真皮線維芽細胞で増加し、シワやたるみの原因となります。

<結果と考察>
MMP1とHYAL1はそれぞれ真皮のコラーゲンとヒアルロン酸を分解する酵素遺伝子です。柚子エキスはMMP1とHYAL1遺伝子の発現を抑制することで、コラーゲンとヒアルロン酸の分解によるシワの形成やハリの低下を抑えて、若々しい肌を保つ効果が期待できます。


6. 柚子エキスのヒアルロン酸保護作用 -in vitro-

<試験方法>
ヒアルロニダーゼ阻害:ヒアルロニダーゼと検体を反応させ、活性化処理後、ヒアルロン酸を添加。
生成するN-アセチル-D-グルコサミンをエールリッヒ反応により吸光度測定(570nm)
試験濃度: 100μg/mL

<結果と考察>
柚子エキスはヒアルロニダーゼ阻害活性を示しました。ヒアルロニダーゼは肌の水分保持に重要なヒアルロン酸を分解する酵素です。炎症によって真皮線維芽細胞で増加し、肌の柔軟性や水分保持能を低下させ、しわやたるみの原因となります。柚子エキスには、炎症を抑えてヒアルロン酸を保護することによる抗老化作用が期待できます。


7. 柚子エキスの抗酸化作用

<試験方法>
ラジカル消去試験:DPPHラジカルの消去能を測定 
試験濃度:10, 100μg/mL
スーパーオキシド消去試験:キサンチン/キサンチンオキシダーゼ系により生じるO2-を測定
試験濃度:1, 10μg/mL

<結果と考察>
柚子エキスはラジカル消去活性とスーパーオキシド消去活性を示しました。酸化はコラーゲンの分解や架橋形成、炎症反応にもつながり、しわ、たるみ、しみの原因となり、皮膚老化の一番の原因とも言われています。DPPHラジカルの消去作用によって抗酸化活性の指標とすることができます。柚子エキスは紫外線暴露により生じるROSを消去することにより光老化抑制効果が期待できます。


8. 製品情報

原料情報
・埼玉県毛呂山町の桂木地域の無農薬栽培ゆずを使用
・表示名称:ユズ果実エキス
・INCI名: CITRUS JUNOS FRUIT EXTRACT
・中文名称:香橙(CITRUS JUNOS)果提取物

安全性情報
・24時間閉塞パッチテスト:刺激性なし
・SIRC細胞を用いた眼刺激性試験:刺激性なし
・ROSアッセイによる光毒性試験:陰性


9. ふるさと元気プロジェクト(FGP)

FGPの目指す化粧品のバリューチェーン

地域農産品(一次産品)のもつ固有の価値(バリュー)に
  ①化粧品OEM会社の有する技術力
  ②化粧品販売メーカーの企画販売力
  ③消費者の評価 
 などが加わることにより、一次産品の価値が連鎖的に高まります。
 消費者は、化粧品製品と産地に共感を覚え、
 産地への共感は、SNSによる拡散、一次産品の購買行動、観光など、地域振興へとつながります。
 化粧品により「桂木ゆず」に付与された新しいバリューが、生産者と地域にフィードバックされます。



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