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黄金シルクエキス

 
ふるさと元気プロジェクト [医薬部外品表示名称:加水分解シルク液]
              ※シルク末(フィブロイン)も

シルク由来アミノ酸の優れた生体適合性
  ~黄金シルクエキス~2019.06.26

日本の伝統産業が生み出した最高級の黄金シルク
植物にはないシルクならではの優れた生体適合成分NMFと
植物の黄金色の抗酸化成分を兼ね備えた
保湿エイジングケア原料


1. シルク(繭)とは

カイコの繭を人類がシルク(絹)として利用してきた歴史は非常に古く、数千年前の中国が起源とされています。シルクは最高の衣料素材としてクレオパトラや卑弥呼など、世界中の人々を魅了してきました。シルクの魅力は、光沢やしなやかな肌ざわりだけでなく、吸放湿性や保温性などの機能性にも優れることです。繭を構成する絹繊維は、主要成分としてフィブロインとセリシンとよばれる2種類の高分子タンパク質から構成されていますが、生糸から絹糸への精錬過程でセリシンは除去され、一般的には廃棄物として処分されていました。その後、セリシンの多様な機能性が明らかにされ1, 2)、セリシンの応用研究が進められて化粧品に使われるようになりました。

かつて、生糸は日本の主要産業の一つであり、世界一の生糸輸出国となっていました。しかし化学繊維の登場によって生糸生産量は減少し、その結果養蚕家の数も減少していきました。平成28年には、日本国内の養蚕農家数は約349戸と、ピーク時の220万戸(昭和4年)に比べて激減しています2)。そのため、国産の繭自体が非常に貴重な素材となってきました。その中でも黄金繭というものは超稀少品となります。黄金繭は、繭の色は黄色ですが、糸になると金色に輝く性質を持ちます。黄金繭には有害な紫外線や乾燥から蛹を守るため、植物から受けついたカロテノイドやフラボノイドといった有効成分が含まれています。
 この黄金繭を用いて、一般的な白色シルクエキスよりも高い機能性が期待される黄金シルクエキスを原料化しました。

<参考文献>
1) 原 三郎 地域共同研究センター年報2008年度 58-67
 繭糸の機能性に関する研究,
2) Chlapanidas T et al. Int J Biol Macromol. 58 47-56 (2013)
 Sericins exhibit ROS-scavenging, anti-tyrosinase, anti-elastase, and in vitro immunomodulatory activities.
3) 平成28年「養蚕の動向」農林水産省


2. 黄金シルクエキスに含まれる主要なアミノ酸 -LC-MS-

黄金シルクエキスには、セリン、グリシン、アラニン、リシンが主要なアミノ酸として含まれていました。本原料は黄金繭を加水分解しているため、遊離アミノ酸が多く含まれています。
 皮膚の天然保湿因子NMFの内訳としては、遊離アミノ酸が約40%と最も多い割合を占めています。そのアミノ酸のなかでも、グリシン、セリン、アラニンは、3成分だけでNMFの全アミノ酸の50%以上を占める重要なアミノ酸です。NMFは皮膚の3大保湿因子の一つです。これらのアミノ酸は植物には少ない成分であるため、黄金シルクエキスは生体適合性の高い原料といえます。


3. 有効性情報と期待される効果

 

有効性情報
・過酸化脂質生成抑制
・NMFアミノ酸
・エラスターゼ阻害
・コラーゲン産生促進
・細胞賦活作用4)
 

期待される効果
・抗酸化
・抗光老化
・保湿
・しわたるみ改善
 

4) Terada S et al. Cytotechnology. 40 3-12 (2002)
 Sericin, a protein derived from silkworms, accelerates the proliferation of several mammalian cell lines including a hybridoma
 


4. 黄金シルクエキスの抗しわ作用 -in vitro-

<試験方法>
エラスチンを分解するエラスターゼ酵素活性に対する阻害効果を測定
試験濃度:1, 10μg/mL

<結果と考察>
黄金シルクエキスはエラスターゼ活性を阻害しました。エラスチンは網目状に構成されるコラーゲンを結びつけ、コラーゲンとともに肌のハリを維持しています。別名、「弾力繊維」と呼ばれ、ゴムのように伸縮します。そのため、加齢や紫外線、活性酸素、ストレス、エラスチン分解酵素(エラスターゼ)などによってエラスチンが減少すると、シワやたるみなど老化の原因となります。このことから、エラスターゼを阻害する成分には、肌のハリを回復または維持させ、その結果肌を若々しく保たせる効果が期待できます。


5. 黄金シルクエキスのコラーゲン産生促進作用 -真皮線維芽細胞-

<試験方法>
真皮線維芽細胞を24時間培養。その後、黄金シルクエキス含有EMEMを加え24時間培養し、ELISAで定量
試験濃度:1, 10μg/mL

<結果と考察>
黄金シルクエキスは線維芽細胞のコラーゲン産生量を増加させました。これにより、皮膚のしわ・たるみの改善が期待できます。


6. 黄金シルクエキスの抗酸化作用

<試験方法> 
過酸化脂質生成抑制試験:リノール酸が酸化してできる共役ジエンを測定
試験濃度:1, 10μg/mL

<結果と考察>
黄金シルクエキスは過酸化脂質生成抑制活性を示しました。これは、黄金繭の有色成分に由来する効果と考えられます。酸化はコラーゲンの分解や架橋形成、炎症反応にもつながり、しわ、たるみ、しみの原因となり、皮膚老化の一番の原因とも言われています。黄金シルクエキスは不飽和脂質の酸化による活性酸素の発生を抑制することにより光老化抑制効果が期待できます。


7. 製品情報

原料情報
・国産黄金繭
・表示名称:加水分解シルク
・INCI名: HYDROLYZED SILK
・中文名称:水解蚕丝

安全性情報
・24時間閉塞パッチテスト:刺激性なし
・SIRC細胞を用いた眼刺激性試験:刺激性なし
・ROSアッセイによる光毒性試験:陰性



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